米チャンピオンズツアー21年シーズン最終戦チャールズ・シュワブ・カップ選手権が開幕した。舞台のフェニックスCCがあるアリゾナは同州立大学出身のフィル・ミケルソンにとって第2の故郷。シニア6戦目に挑む彼はもちろんギャラリー最大のお気に入り。そんな彼を永遠のライバルが語った。

PGAツアーのホームページにはGOLFTVのツイッターを引用した貴重な写真が掲載されている。ミケルソンの故郷サンディエゴ(カリフォルニア)のトリーパインズ(全米オープンの舞台でおある)で行われた1984年の世界ジュニアの写真である。そこには金髪・丸顔で微笑むアーニー・エルスとやや仏頂面のミケルソンが並んで写っている。

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35年前、同大会の13歳~14歳部門でエルスが優勝、ミケルソンが2位となりトロフィーとともに記念写真に収まったときから2人のライバル伝説は始まった。

やがてミケルソンは大学在学中にノーザンテレコムでプロの試合に優勝。エルスはまだ無名だった24歳のとき全米オープンを制覇した。04年、33歳になったミケルソンがマスターズで悲願のメジャー初勝利を挙げたとき優勝争いに敗れ悔し涙をのんだのがエルスだ。

画像: フィル・ミケルソン(左)とアーニー・エルス(右)。ジュニア時代からライバルとしてツアーを戦ってきた(写真は2019年 撮影/有原裕晶)

フィル・ミケルソン(左)とアーニー・エルス(右)。ジュニア時代からライバルとしてツアーを戦ってきた(写真は2019年 撮影/有原裕晶)

歳は8カ月エルスのほうがお兄さん。2人がツアーで頭角を表したとき誰もが“ミケルソン&エルス時代”の到来を実感したもの。しかし、ほどなくしてタイガー・ウッズが「Hello, world!」の第一声とともにツアーデビューしてから2人は自分たちの時代が早くも次の世代にバトンタッチされることに気づくのだ。

10代前半の写真を見てエルスは「懐かしいね」と笑い「もう人生の4分の3くらいフィルと一緒に過ごしてきたんだね」と感慨に浸る。「タイガーが登場してからはフィル&ミー(ミケルソンと自分)の時代からタイガーの時代になると予感した。でもフィルを最初に見たときの衝撃は忘れられない。低い球でもピンの至近距離にピタッと止めてくる。高い球はもちろん素晴らしい。誰にも真似できないショットの数々を繰り出す彼には天性のセンスと特別なタッチが備わっている。それは今も衰えていない」

51歳でメジャーに優勝しデシャンボーやジョン・ラームらと互角に渡り合うミケルソンがシニアの大会に出場することに同世代そして先輩らは「フィル効果」を実感している。

「シニアツアーは今まさにルネッサンス期を迎えています。エルス、ミケルソン、フューリックらが盛り上げてくれている。特にミケルソンは多くのファン、メディア、スポンサーが関心を寄せているので、その彼がツアーに出てくれるだけで有り難い。素晴らしいことですよ」と第一人者ベルンハルト・ランガーはいう。

ところでミケルソンにとってアリゾナが特別なわけとは? 大学に通ったことはもちろん、現在の住まいがあること。アマチュア優勝の地であること。そしてあと2つ重要なのは過去3勝を挙げているウェイストマネジメント・フェニックスオープンでの思い出と、愛妻エイミーさんの存在だ。

アメリカンフットボール最大のイベント、スーパーボールが行われる週に開催されるフェニックスオープンは観客が1週間で60万人(!)を超えることもあるスーパーな大会。そこで96年の初優勝から13年の3回目の優勝まで彼はさまざまなドラマを演じてきた。とくに13年の第2ラウンドでは最終ホール(9番)がバーディならゴルファーの夢『59』を達成していたが惜しくも外し60。その瞬間を同組で目撃したリッキー・ファウラーは「ミケルソンのワンマンショーだった。ファンの熱狂ぶりは正気の沙汰ではなかった。説明するのが難しいくらいの高揚感だった」と振り返る。

そして最後にして最大の理由はエイミーさんとの出会いの地であること。彼女はNBA(プロバスケットボール)フェニックス・サンズの元チアリーダー。アリゾナで育んだ愛がファミリー第一主義のミケルソンの原点なのだ。

シニア最終戦の初日は6アンダーをマークしトップタイの好発進。第2の故郷でミケルソンは躍動中だ。

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