気持ちよくナイスショットをしたときは、同伴者から「今のはいいスウィングのリズムだったね」と声をかけられたり、打ち急いでミスショットしたときには「今のはちょっとリズムが早かったんじゃない?」などといったリズムに関するアドバイスをよく耳にします。
ゴルフの会話では何気なく使用している「リズム」ですが、野球やサッカー、陸上競技などほかのスポーツでこんなにしょっちゅうリズムという言葉は使わないようです。リズムは強弱・明暗・遅速などの周期的な反復などといった音楽的用語なのにもかかわらず、不思議とゴルフスウィングでは頻繁に使われていますよね。
歴史を遡ってみても1860年代に活躍していたオールド・トムモリスのスウィングは正確にリズムを刻む「時計スウィング」と伝えられています。このようにチックタックといったリズムとゴルフスウィングは大昔からセットなのです。
ゴルフスウィングのリズムがよくなると連動性=運動連鎖が良くなる!
ではリズムがよくなるとなぜスウィングがよくなるのでしょう。まずゴルフのスウィングは始動からフィニッシュまで2秒とかからず運動時間が短いことが特徴なので、体の筋肉や関節が順序的、時間的にうまく連動して動くことによってパフォーマンスを発揮します。
この運動がうまく連動していることを「運動連鎖」といいます。そしてスウィング中、リズムよくスムーズな運動連鎖ができたとき、プロゴルファーのようにもっとも効率的にパフォーマンスを発揮することができるのです。
女子プロゴルファーの中には一般男性より握力や筋力が弱い選手もたくさんいますが、ゴルフスウィングとなると一般男性よりもボールをより遠くへ飛ばせるのは、リズムよくしなやかでスムーズなスウィングをしていて連動性がいいからなのです。
このように、リズムにはスウィングの連動性を高めるための大切なヒントがこめられているのです。スウィングのリズムを磨くためには、再現性のあるメトロノームを使って小さいスウィングのアプローチをすることから始めてみましょう。メトロノームはスマホの無料アプリなどをダウンロードしていただくことで簡単に試すことができます。
まずはメトロノームをゆっくり歩くような速さのテンポ、72に設定して、リズムに合わせてハーフスウィングでアプローチの練習をしてみてください。練習場で実際打ってみたい方は周りの人の迷惑にならなくてスウィングの邪魔にもならないワイヤレスイヤホンなどがオススメです。
リズムを聞きながら、素振りから始めて実際のスウィングでボールを打ちながら10から20ストロークほど試してみてください。音を聞きながら練習していると意外と同じリズムでスウィングできていないことに気づけると思います。はじめは慣れないかもしれませんが、慣れてくるとリズムに合わせてスウィングすることで連動性が高まり、スムーズで心地よいスウィングになってきますよ。
プレー中にスウィングの切り返しで打ち急いで手を使ったりしてボールに当てに行く動きが入ってしまう方や、緊張して力んでしまう方は心の中でメトロノームのリズムを呟いてみて、リズムに集中してみて下さい!