ラウンドレッスン中、生徒のAさんに「プロはどんなボールを使っているのですか?」とご質問いただいたので、「私のキャディバッグの中には、予備のボールも合わせて9個ほど入っていますが、すべて同じ種類のボールが入っていますよ」とお話しさせていただきました。
「そんなAさんのボールはどうですか?」とキャディバッグの中を見せていただいたところ、20球ほどのさまざまな種類のボールが入っていました。AさんはOBが心配で、たくさんボールをバッグに入れているようです。
そのお気持ちよくわかります! ボールの数が足らなくなってしまうと、プレーができなくなってしまいますよね。ボールの数を多めに用意しておくのはとても大切なことだと思います。
しかし、気になる点がひとつあります。それは「さまざまな種類」という点です。アマチュアゴルファーのみなさんからは「ボールはみんな丸いから一緒だよ」「まだ始めたばかりなので、とにかく安いほうがいいんです」なんて声も聞こえてきそうです。
でも、ゴルフは道具を使うゲームなので、道具はやはり大切です。
道具といえばクラブです。プレーするときショットではドライバーやアイアン、グリーン上ではパターといった状況に応じてさまざまなクラブを上手に使い分けていますよね。しかしボールはどうでしょう。プロたちはOBしても、気分転換として変えるときでも、番号が変わるだけでいつも同じ種類のボールを使用しています。そう、ボールはすべてのショットで変わらずに使用している唯一の道具なのです!
プロがボールを変えないのには理由がある!
多くの方はドライバーショットで1ヤードでも遠くに飛ぶようなボールを選びたくなるかと思います。しかし、ボールの差がはっきり現れるのは50ヤード以下のショットなのです。
50ヤード以下のショットではヘッドスピードがあまり出ないためヘッドの衝撃がボールのコア(芯)に届かず、カバーの効果が発揮されるため、ボールの性能の差がはっきりあらわれます。
個人差はありますが、ヘッドスピードのあるドライバーショットだと、バックスピンは200回転ほどの差となることが多いようですが、50ヤード以下のショットではバックスピンの量が4000回転ほどと大きく変わってきます。
ゴルフボールには大きく分けて2種類、飛距離性能を高めたディスタンス系ボールと、バックスピンがかかりやすいスピン系ボールがあります。では50ヤード以下のショットを打ったときに、この2種類のボールで結果がどのように変わるのか。実際に3人の方にディスタンス系とスピン系のボールを打ち分けていただきました。その結果をまとめたのが図1です。
ディスタンス系のボールは打ち出し角が高く上がり、スピンが少ないことから、高さで止めるイメージになります。対してスピン系のボールは打ち出し角が低めで、スピンが多くかかっていることから、スピンで止めるイメージになります。
このように、カップに寄せていくためのイメージがとても大切なショートゲームでは、ディスタンス系とスピン系、性能が真逆なボールを混ぜて使ってしまうといつまでも感覚を掴むことができなくなってしまいます。
ボールは変えるほどデメリットが大きくなるので、ひとつの種類に決めてラウンドしましょう!ちなみにプロはスピン系を選ぶ方がほとんどです! 是非参考にしてみて下さい。