あなたはゴルフをしていて“決められずに”ミスをしてしまうことはありませんか?
この“決められずに”とは、たとえば50ヤード以内のアプローチでボールの落としどころを決められない、バックスウィングの程度を決められずに「どこに落とすといいんだろう? 前にみたいにグリーンをオーバーしたら嫌だし」と考え、決められずに中途半端なプレーになってしまう。グリーン上でライン、ボールを転がす強度、振り幅を決められないから「このラインで大丈夫か? オーバーしすぎたら嫌だ」と考え、中途半場なストロークになり、ボールがショートしてしまうなど、さまざまなケースが考えられますよね。
実際、結果がキャリアに直結するツアープロゴルファーをサポートしていても上記に似た悩みをもらうことは多いです。
もちろん、理想はプレー前にボールをどこへ打つか決め、スウィングイメージを決め、やり抜くということが理想でしょう。しかし、実際は過去のミスが気がかりになり決められない。本当は攻めるべきポイントだが安パイに行きたい自分がいることで決められずに中途半端なプレーになってしまうというような体験は誰にでも少なからずあるはずです。
では、どうすれば決めること、つまり決断することが上手になるのでしょうか?
当たり前ですが「決める」トレーニングをすること、決める習慣をつくることが重要です。しかし、その前に決められない要因も見ていきましょう。
決められない人の大きな特徴のひとつが過去の人生の中で「人の意見」にそって行動をとってきた傾向があることです。とくに親や先生・スポーツ指導者に「こう考えなさい、このように勉強しなさい、こうするとプレーがうまくいく、この進路が良い」などと、経験者からのアドバイスに沿って行動してきた人です。
実際に私がメンタルトレーニングしてきたゴルファーのなかでも、決めることが苦手な選手の過去をヒアリングしていくと、小学生までは親がコーチのような形で自分で考えるより、「こうしろ、ああしろ」が本当に多かった、またコーチのアドバイスを素直に受け入れ、コーチの意見を鵜吞みにし、行動を左右されている傾向にある選手が多いです。つまり、人の答えで行動する癖があり、「自分の答えを導きだし決断する」という体験が少ないのです。
実際、私も全国優勝経験がある強豪高校サッカー部でプレーしていたときは、厳しい監督の答えに沿い、求められるプレーばかりを選択することで「自分の答えでプレーする」ということができていなかったと感じます。
もちろん、ゴルフが上達する上でレベルの高い先輩ゴルファーのアドバイスやティーチングプロのアドバイスはとても貴重であり大切でしょう。しかし、アドバイスをもらってから大事でアドバイスを参考にし、最終的なプレーの意思決定は自分で責任を持ち決める。その習慣を身につけることが重要ですよね。
私はジュニアゴルファーの親御さんやゴルフコーチの方にメンタルコーチングプログラムも提供している中で声を大にして伝えることがあります。それが「自分の答え」でプレーするように導くことです。スウィングにしろ、コースマネジメントにしろ、最終的には自分で答えを出す習慣をつくるために「こうしたほうがいい、ああしたほうがいい」と情報提供した後に「それらを踏まえて君はどうプレーする?」と自己決定の促す質問をしていくのです。「父さん(コーチ)がこうしたほうがいいといったからそうしよう」という親・コーチの答えで選手がプレーするパターンを繰り返していっては「自分で決める」ことは身に付きません。
少し話はそれましたが、中途半端なプレーを減らすためには「決める練習」を意識的におこなうことです。具体的には各ホールでしっかり決めてプレーできたか? をスコアカードにメモしていきます。自分の答えを出し決めてプレーできたなら〇、中途半端になってしまったら△とメモしていくのです。このように決める練習を意識的に行うことで決断力も磨くことができます。今回の記事を読み、「自分は決めることが苦手かも」と思った方はぜひ参考にしてみてください。