ヘッドカバーの始まりは、日本人のアイディアから生まれた!
もうすぐクリスマス! クリスマスといえばチキンにケーキ、そしてクリスマスプレゼントですよね! 大切なプレゼントは、やっぱり靴下の中に入れておきたいところです。
ゴルフの歴史好きの私は、靴下と聞けばあることを思い出してしまいます。じつは私たちゴルファーが当たり前にしているクラブのヘッドカバーの始まりは靴下にあるのです。
大正時代に鈴木商店のロンドン支店駐在中だった高畑誠一さん(日商株式会社(現・双日)の創業者)が、当時夢中になったのがゴルフでした。そのとき特注したドライバーの出来栄えに感激して、クラブを傷つけたくないという気持ちからドライバーのヘッドに靴下を被せたのがヘッドカバーの始まりなのです。
後日、知人の妹にヘッドカバーを編んでもらうと、あっという間に評判になりました。その後、欧米でさまざまな素材のヘッドカバーが作られるようになりましたが、考案者は高畑さん(日本人)なのです! クラブといった道具を大切にしたい心構えを日本人ゴルファーの高畑さんは教えてくれているわけです。
そして、当時のドライバーのヘッドはパーシモン(柿の木)を素材とした、ウッドクラブが主流だったようです。パーシモンのドライバーと近代の大型化のヘッドと比べると、大きさがおよそ3分の1くらいのとても小さいヘッドだったことがわかります。靴下でカバーするアイディアがわくのも納得です!
でも、靴下でカバーできるほどドライバーのヘッドが小さいなんて、近代の大型クラブからゴルフを始めた方にとっては想像しにくいですよね。ヘッドが小さいとスイートスポットがとても狭くなるので、ボールを打つことがとても難しくなります。
クラブの進化には、アマチュアゴルファーのみなさんに少しでもゴルフを簡単に楽しんでもらうための工夫が施されているのですが、その工夫には素材の進化が大きく影響しています。シャフトはヒッコリー(くるみの木)から、スチール製とカーボン製へと進化しました。
そして、ドライバーのヘッドはウッドからステンレス製へ、そしてより軽くて、強度の高いチタン製のヘッドへと素材が進化し、スウィートスポットを広くするためにヘッドを大きく軽量化することに成功したのです! さらに、化学の進化で慣性モーメントの効果が発揮され、ショットである程度芯を外しても方向性が安定するようになったのです。
パーシモンなどの小型ヘッドでゴルフを覚えたゴルフ歴30年以上の方の多くは、テクニックでボールを遠くに飛ばす必要があったため、フェースローテーションをたくさん使えるウィークグリップが主流でした。しかし、近代の大型ヘッドはパーシモンと比べると慣性モーメントの影響でヘッドそのものがターンしてこないため、フェースローテーションを抑えるストロンググリップが主流になったのです。こうして昔ほど、リストを必要以上に使わなくてもしっかり距離が出るようになったのです。
靴下が入らないほど進化した、近代の大型ヘッドからグリップの握り方の傾向をお話しさせていただきました。こんなストーリーを知っておくと、世代を超えて会話が弾みもっとゴルフを楽しめるようになりますよ!