(質問)
最近はゴルフショップの試打室に弾道計測器が常備され、打ち比べて結果がいいクラブが数値でわかるようになりました。それはよいことだと思うのですが、自分の感覚で振りやすいものが別にあったりすると、どちらを選ぶべきなのか迷います(千葉県 40歳 平均スコア85)
担当記者(※以下GD):弾道計測器は本当に普及しましたね。一般のゴルファーでもトラックマンなどの計測数値に詳しい人が多くなりました。
増田:数字が出て参考にできるというのは、もちろんいいことです。クラブ開発でも計測器はもう欠かせないものになっているでしょう。でも質問者さんも言われるように、打ってみて、いちばん飛んだものを選ぶだけでは、たしかに物足りないと感じます。この方は、自分が振りやすいものがあると、感じているわけだからそこは大事にしたいですね。
GD:ナイスショットだけで比較したいところですが、意外とミスショットになりやすいクラブ、なりにくいクラブがあると思うんですよね。
増田:私も関東圏だけでなく、関西や九州など様々なところでフィッティングイベントをやらせていただいてます。そのときに何を見ているかというと、その人のカラダの動きなんです。どういう筋肉の動かし方をして、どうクラブを扱っているかというところを見るんです。どんなゴルファーにもいいところはあるので、そこを活かして結果を出せるようにフィッティングします。
計測器の数値は参考にしますし、結果的に飛距離が伸びることも多いのですが、やっぱりそういうカラダの動きのところまで見ないと、いいフィッティングにはならないんじゃないかと思いますよ。
GD:カラダの動きということになると、スウィングも変えないといけないですね。
増田:私はプロではないのでレッスンはできませんが、あくまでもクラブの使い方を少しお話することもあります。ちょっとした動きのコツで、ぐっと強いボールが打てるようになる方も多いですよ。
打ち比べて、計測でいい結果になったクラブを選ぶということは、悪い動きをしたときにいちばん結果がいいクラブを選ぶ危険もあるんです。
GD:それは怖いですけど。でも今の自分に合うクラブを見つけたいというのも本音だと思うんです。スウィングは急にはよくならないですから。
増田:だから、理想はそのクラブに変えると気持ちよく振れて、スウィングもよくなるということです。上手くなっていくためには、今までやったことがないことに取り組んでいかないといけない。だから、フィッティングする人は責任重大ですが、受ける人も教わり上手というか、上手く活用してほしいですね。
ジャンボさんは、人に教われることはせいぜい2割で、あとは自分で作り上げないといけないと言われていました。アドバイスをもらったら、最終的には自分で考えないといけない。ゴルフはプレーだって、自分で考えて決断することの連続でしょう。数字はもちろん大事だけど、自分で判断するということがいちばん大切なんです。