前提条件を変えてみよう
人は仕事やスポーツで苦手意識、得意意識があるものです。ゴルフにおいてもこれは同じ。これは苦手というプレーもありますし、得意・不得意と認識するホールやコースもあります。さらに「この人と回ったらスコアが出る、出ない」などの印象もあります。
そして、それらの前提条件がゴルファーのパフォーマンス発揮にもつながっています。知らず知らずにつくられた前提条件があなたのゴルフを窮屈にしていたり、パフォーマンス発揮のブレーキになっている可能性があるんです。
例えば、私が過去にメンタルサポートしたプロゴルファーは「自分はアプローチが苦手だ」という前提条件を持ち、次のようにプレーに影響を及ぼしていました。
「アプローチをする前からミスイメージしかでない」
「スムーズにクラブを振るイメージができずに身体(筋肉)が硬直する」
「アプローチになると呼吸が浅くなる」
これらのことが苦手だという認識により起きてしまっていたのです。このように前提条件がゴルフを難しくしているケースを沢山見ることがあります。この機会にあなたも自分を制限する前提条件をチェックしてみてください。
今回は変えるべき前提条件を3つ紹介していきますので、自分に置き換え考えてみてもらえれば良い機会になると思います。
私はこのプレーが苦手
誰にでも少なからずあるのが苦手意識という前提条件。苦手意識とは過去の失敗や他の得意プレーと比較することで出来上がります。ではあなたが苦手なプレーを頭に浮かべてください。ちなみにそのプレーは「何がきっかけ」で「何と比較して」苦手だと考えているのでしょうか?
何かのきっかけで、あるときから「〇〇は苦手」だと考えだし、苦手意識のもと練習をし、苦手意識のもとコースでプレーし、何度も苦手だとインプットしてきたからこそ、さらに苦手意識が強化されるのです。
私はサポート選手に次のように考えることをおすすめしています。「〇〇は今、上達している。未来には好きなプレーになっている」、と。このような前提条件に変えるだけでその練習やプレーの動きが変わることも多くあります。
このコースやホールはミスが起こる
これは過去の経験により出来上がる前提条件ですね。人は生存本能上、同じ失敗を繰り返さないために「失敗の記憶」を簡単には忘れないようにしてくれます。このホールでOBした、このホールみたいな条件になると叩く、という印象が前提条件になり「また同じことが起きたら嫌だ、どうしよう」とゴルファーを不安にさせます。
しかし、冷静に客観的に考えればこれまで成功が多かったホールでもそうでないホールでも「ミスが起きるときには起きるし、起きないときには起きない」ですよね。ここで「このコースやホールはミスが起こる」という前提条件をすり替えましょう。例えば、「今できること(マネジメントやルーティンの徹底)に集中すればどんなホールでも自分のゴルフができる」と。
この結果のあとはこうなる
「バーディを取ったら次のホールで叩く」、「前半よかったら後半が悪い」など「〇〇な結果のあとこうなる」という前提条件を過去の経験則から持っているゴルファーもいるでしょう。この場合問題なのは、例えば「バーディを取ったら次のホールで叩く」という印象があるがゆえにバーディを取るるったら次のホールで「ミスをしてしまい、叩くイメージ」が想起されてしまうことです。「前のホールでバーディだったから、次はまたミスするのかな」という思考がミスを起こしやすい状態にさせてしまっている可能性もあります。この場合のおすすめする前提条件は「どのホールもただ1つのホール。このホールでできることをするだけ」と考えることです。
今回はゴルフのパフォーマンスを制限している前提条件に付いて考えていきました。上記3つのうち、ひとつはご自身で持ってしまっていた前提条件があったのではないでしょうか。客観的に適切な前提条件に変えることでゴルフが楽にプレーできることにもつながるかもしれません。ぜひこの機会に前提条件を変えてみましょう。