つねに要求されるスキルを最大限に発揮できる状態=ピークパフォーマンスでプレーすることは、ゴルフに限らずスポーツにおいて重要。プロも教えるメンタルコーチ・池努氏に、ピークパフォーマンスな状態を作るためのメンタルマネジメントについて教えてもらおう。

ゴルファーの誰もが大事な試合やコンペなど「ここぞ」というシーンで持てるパフォーマンスを発揮することを願うものです。私も多くのプロゴルファーから「どうすれば大事な試合で力を発揮できるのか?」という相談をよく受けます。

あなたは大事なゴルフでパフォーマンスを発揮できるタイプでしょうか? 大事な試合で、ピークパフォーマンスにもっていくためのアプローチはスポーツ心理学の中でも多数示されていますが、今回は読者の方が実践しやすいピークパフォーマンスにアプローチするメンタルマネジメントについて紹介していきます。

結論から言うと「いいゴルフをしている自分を分析し、その自分を演じること」です。元プロ野球選手のイチローさんや元ラグビー選手の五郎丸さんのプレー前のルーティンをイメージするとわかりやすいですが彼らのルーティンは毎回、同じリズム、順序、ふるまいでまるで毎回同じビデオを見せられているかのようです。

彼らがおこなっていたのは自分がいいプレーができる心身の状態を分析し、その状態にアプローチするためにあの有名なルーティンを実践していたのです。また、イチローさんは「朝カレー」で有名ですがプレー前だけでなく生活もルーティン化をし、日々できる限りビークパフォーマンスを発揮できるような心身の状態に調整をしていたと言われています。もちろん、一般のゴルファーの方がイチローさんのようなストイックな生活は難しいですが以下のゴルファーの例であれば実践が可能です。

私が過去にサポートしたプロゴルファーにヒアリングしていくと、試合で自分のプレーが悪いときは「プレーのリズムが遅くなる/早くなる」「歩くスピードが遅くなる/早くなる」「考え事(セルフトーク)が多い」「呼吸が浅くなる(速くなる)」「順位・結果への意識が強い」「他者のプレーやスコアを比較する」などと言います。

画像: プレーが悪いとき自分はどうなっているか、そしていいときはどうなっているか、自己分析して「いいとき」を演じるようにする

プレーが悪いとき自分はどうなっているか、そしていいときはどうなっているか、自己分析して「いいとき」を演じるようにする

逆に自分のプレーがいいときは「プレーのリズムがテンポよく一定」「歩くスピードも姿勢がよくテンポが良い」「考え事(セルフトーク)は次のプレーに向いていてシンプル」「呼吸が深く、適度にリラックスしている」「結果ではなく行動目標(今日のプレーのテーマ等)に意識が向いている」などと、共通して挙げられることが多くありました。

きっとあなたも自己分析をすると上記のような傾向がありませんか? 自分らしいプレーができていないとき、自分らしいプレーができているときに上記のような傾向があるはずです。このように自分がピークパフォーマンスな心身の状態を分析し、その自分を演じていけばピークパフォーマンスにアプローチできます。

それでは、ピークパフォーマンスな状態の自分を自己分析したい方は「自分が良いゴルフができているときの心身の状態について」携帯のメモや紙に以下の点について答えが出る範囲で書き出してみてください。

・睡眠時間
・ゴルフ場までの車の運転のスピード
・朝食をどの程度食べるか、また食事内容
・ショットやパター前のルーティンのリズム
・歩く時の姿勢やスピード
・ゴルフ前の心拍数
・呼吸の深さ
・身体のリラックスの状態
・セルフトーク(頭の中での考え事)
・目標(結果を意識しているか、プレーなど行動のテーマを意識しているか)

これらのピークパフォーマンスの状態を書き出すことで自分自身がどんな状態にアプローチすればいいのかが理解できるはずです。競技志向になればなるほど役に立つ自己分析手法になります。うまくいっている自分を演じていくように自分の心身をマネジメントすればハイパフォーマンスなゴルフが発揮できる確率も高まるはずです。必要性を感じた方は一度、今回紹介した自己分析をし、ピークパフォーマンスな自分を演じてみることで新しい気づきもあるはずです。ぜひご自身のゴルフに活かしてみてください。

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