「ZOZO」優勝から「ソニーオープン」でも優勝、さらに「フェニックスオープン」でも上位でフィニッシュ、もう絶好調といって過言ではない2021-2022シーズンの松山英樹。USPGAツアーで現在トップを走る彼の最新クラブセッティングをあらためて見てみよう。
まずはドライバー。2020年に「『ZX7』のほうが好みだが、自分の場合は『ZX5』のほうが飛距離が出た」と言って「ZX5」を使っていた松山。東京オリンピックで「ZX7」にチェンジすると本人も手応えを感じているようで、これを使い続けている。
「ツアーチャンピオンシップからソニーオープンまでもう本当に何も変えていません。理想のスウィングを追求していく段階でクラブが替わらないのはいいこと。松山選手は過去、『ZR30』のときのようにドライバーが替わらないときが安定して調子がいいのです」とプロ担当の宮野敏一氏は言う。
さてFWに目を向けよう。「ZOZO」の18番では5Wで、「ソニーオープン」のプレーオフでは3Wで、パー5で2オンを成功させ、グリーン周りのギャラリーの大歓声を生んだのはいずれもFWだった。
5Wは「コブラRADスピード ツアー」。FWとユーティリティの間くらいの小さめのヘッドが特徴で、そこが気に入っているポイントだという。飛びすぎず、スピンが入るものを探し続けていたなかで、やっと見つかったのがこの5W。
松山フリークの方ならお気づきだろうが、このクラブのウリであるソールのゲタ(レール)がない。松山の真似をして買ったはいいが重くて使いこなせないという人はこのチューンまで真似てみるのもアリではないだろうか。
3Wは、どちらかというとやさしいモデルを選ぶ傾向にある松山選手。でも選んだのは「SIM2 MAX」ではなく「SIM2」。使い始めはいまひとつマッチしていなかったが、シャフトのセッティングをよりしなるように変えたらフィットしてきたという。
チタン製のFWはボールが上がりやすく、このモデルは“カチャカチャ”もついているので真似するなら、やさしいポジションに調整すればアマチュアでも使いこなせる。
アイアンは4番から。かつては松山選手のクラブセッティングの特徴ともいえるユーティリティがFWとアイアンの間に入っていたがなくなった。調子がよく、打点も安定しているためか、マッスルなのに飛んでいるという。
そしてウェッジはアイアンセットのPWがなくなり、単品ウェッジの46度が入った。これはUSPGAの選手に多く見られるセッティング。56度と60度に硬めのシャフトを入れるのが松山の特徴で60度はワイドソールのローバウンスになっている。
パターはエースパターとまったく同じモデルだが、「ZOZO」から使い始めた「スコッティ・キャメロン」。打感が軟らかいといわれるジャーマンステンレス製でバックフェースに「3つの黒い丸」がついた松山モデルといわれるものだ。
【松山英樹のクラブセッティング】
1W:スリクソンZX7(9.5度、ツアーAD DI-8TX)
3W:テーラーメイドSIM2(15度、ツアーAD DI-9TX)
5W:コブラ RAD SPEEDツアー(18度、ツアーAD DI-10TX)
4I~9I:スリクソンZフォージド(DGツアーイシューS400)
46度:クリーブランドRTXプロト(DGツアーイシューS400)
52、56、60度:クリーブランドRTX4プロト(DGツアーイシューX100)
パター:スコッティ・キャメロン タイムレス ニューポート2 GSS