「もっこす」とは肥後もっこすのことで熊本県の男性の気質を表すときに使われる。正義感が強く、曲がったことが大嫌い。その言葉がぴったりなクラブデザイナー、マスダゴルフ主宰・増田雄二がゴルファーの悩みに今日も答えます!

(質問)
テーラーメイドからフェースにカーボンを採用したドライバーが発売されましたが、「カーボンなのに、打音がチタンと変わらない」という評価が多いのが気になっています。せっかくカーボンにするのに、なぜチタン風にするのでしょうか。また打音は性能にどのくらい関わるものでしょうか。
(茨城県 47歳 平均スコア83)

担当記者(※以下GD):カーボンといえば「音が悪い」というのが定説で、今回の「ステルス」を解消したというのが、ひとつの売りになっています。打音が金属的な音になっていますね。

増田:やはり音は大事ですよ。ドライバーにチタンが採用されるのは、反発性能がいいとか比重が軽いとかいろいろな理由がありますが、高音の金属的な爽快感のある音、そして軽快な打感が、ゴルファーに好まれたからだと思います。
飛距離の性能が同じなら、気持ちよく打てるクラブ、爽快感のあるクラブのほうが、飛んでいる印象があるでしょう。その心理的な影響は大事で、もっと飛ばせるんじゃないかとゴルファーに思わせてくれます。クラブを作る側として、打感は悪いけどでも飛距離は出る、みたいなクラブは考えにくいですね。

GD:打つ人によって、感じ方はさまざまだと思うんです。誰もが感じる「いい音」というものはあるのでしょうか。クラブを設計する際、打音も考慮にいれますか?

増田:たしかにボスッという、低い音を好む人も根強くいますよね。低い音だとフェースに食いつくように感じるし、弾道も低くなるイメージが出ます。シーサイドコースで低い球を打ちたい人などは、低めの音がほしい局面もあると思いますよ。その意味では、高い音がいい、低い音がいいというのは、あまりないんです。打感や打音は、もちろんクラブ設計の重要な要素ですよ。クラブを作るときは、まずそのクラブをどんなものにするかという設計コンセプトを決めます。シニア向けのドライバーなら、キューンという高い金属音でキャリーで飛ばせて安心感のあるクラブが好まれます。アスリート向けなら、ヘッド形状はシャープで強い弾道が打てるように、音はそこまで大きくはできないでしょう。つまり打音は、そのクラブの設計コンセプトに合わせることが大事になります。

画像: ドライバーの打球音はクラブ選びにおいて重要で、気持ちよく爽快感があるほうが飛んでいる印象になる

ドライバーの打球音はクラブ選びにおいて重要で、気持ちよく爽快感があるほうが飛んでいる印象になる

GD:採用する素材や構造を決めるのはよく分かるのですが、打音も設計できるものなんですか?
増田:そこはそれぞれのメーカーの企業秘密だと思いますよ(笑) たしかに打音を設計するのは難しいです。打つ人のパワーや当たり方によっても変わりますから。メーカーは心地よい音が出るように、それぞれノウハウを持っているはずです。
いずれにせよ、ゴルファーが新しいもの好きなことは悪いことじゃない。かつてはジャンボさんも次々に新しいものを取り入れていたようにです。パーシモンの時代でも、少しでも重心深度を深くするために後方にサイドメタルを装着したりしていました。それは、その当時、すごく攻めた機能だったわけです。その時代その時代でなにか新しい機能を盛り込もうとメーカーは開発しているんです。
だから、新しい技術が搭載されて、興味をもつ人が多いのは当然だと思うし。あんまり根無し草で右往左往するとまずいけど(笑)。変な表現ですが、よいミーハーになってもらいたいですね。

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