ゴルフクラブは、ほかの球技で用いられる道具よりも特殊性が強い。そんなゴルフクラブの持つ特徴的な点と、適度にフェースローテーションする感覚をつかむ練習法を、プロゴルファー・大谷奈千代に教えてもらおう。

あっという間のシーズンオフが終わり、いよいよ今週からJLPGAのダイキンオーキッドレディースゴルフトーナメントが開幕します! 年間を通したプレーヤーたちの熱い戦いが楽しみです。

プロゴルファーのように効率よくボールを飛ばすためには、道具を上手に使うことが大切ですが、今回はそんなゴルフクラブを改めて観察してみましょう。

それでは道具を使うゴルフ以外の球技スポーツを思い出してみましょう。野球やテニス、卓球にバトミントンなどが思い浮かんだのではないでしょうか。ゴルフクラブと比較してみると、野球のバットやテニスのラケットは手で握っているグリップ部分もボールをヒットするための芯も道具の中心線上にあります。

いっぽう、ゴルフクラブはクラブヘッドが中心軸から横に突き出た形状になって、ボールをヒットさせる芯がシャフトの線上にありませんよね。最近見かけた、類似している道具といえばアイスホッケーのスティックくらいしかありません。

さらに、フェース面にロフトがついている点も加味すると、類似する道具はもう思いつきません。このようにゴルフクラブはとっても独特なのです! 学生時代から何をやっても上手くこなせたような、運動神経抜群な方でもゴルフだけ思ったように上手くいかないのは、ゴルフクラブが独特な形状のため過去のスポーツ経験にないからなんです!

このように特殊な道具であるゴルフクラブを使ってスウィングすると、クラブ自体の遠心力に加え、シャフト軸を中心にヘッド部分が回転(フェースが開閉)することによって大きなエネルギーを生み出すことができます。この二つのエネルギーを上手に使うことで飛距離がアップするわけです。

遠心力を使うとは、バケツに入った水をこぼさないようにスウィングするイメージです。スウィング中、手元を胸の正面に置いたまま体を回すようにしましょう。

そして、ゴルフクラブという道具の機能を生かすためには単に棒を振って遠心力を使うだけではありません。クラブの重さを感じとるためにはフェースローテーションの動きが求められるのです。

手先だけを使ってフェースローテーションが多くなりすぎてしまうと、球が曲がりやすくなってしまう原因にもなってしまいます。適度なフェースのローテーションは、パターと同じイン・トゥ・インになるのが自然なのです。

このフェースローテーションの感覚を掴むためには、ご自宅にあるようなうちわをクラブに添えて持ち(イラストA)、フェース面を可視化してスウィングする練習がオススメです!

画像: イラストA:うちわを添えてゴルフクラブを持つことで、フェース面の動きがよりわかりやすくなるという

イラストA:うちわを添えてゴルフクラブを持つことで、フェース面の動きがよりわかりやすくなるという

まず立った状態で体の正面でフェースを12時の方向に構えます。クラブを短く持ち、グリップエンドをおへそに当て背骨を軸に体を回転させましょう(イラストB)。

画像: イラストB:立った状態でクラブを短く持ち、グリップエンドをおへそに当てるように体の正面に向けて構えよう。その際フェース面が12時の方向に向けよう

イラストB:立った状態でクラブを短く持ち、グリップエンドをおへそに当てるように体の正面に向けて構えよう。その際フェース面が12時の方向に向けよう

この状態で、前傾姿勢を保ち、グリップエンドをつねに自分に向けてストロークすることができれば、テークバックでヘッドはインサイドに上がり、フォローもインサイドにヘッドが抜けていくことが体感できます(イラストC)。

画像: イラストC:イラストBの状態から上半身を前傾させて背骨を軸に体を回転させれば、ヘッドの軌道は自然とイントゥインになり、フェースローテーションも適度に行われる

イラストC:イラストBの状態から上半身を前傾させて背骨を軸に体を回転させれば、ヘッドの軌道は自然とイントゥインになり、フェースローテーションも適度に行われる

適度なフェースローテーションはグリップエンドをおへそに当てて背骨を軸に体を回転することで習得することができます。この動きさえできれば、ヘッドの重さを感じ取りながらスウィングできるようになりますよ!

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