「『下回り』と『上回り』の違いは大きく分けて２つあります。ひとつ目は『腕をロールさせないのが“下回り”、ロールするのが“上回り”』。そしてふたつ目は『スウィング中の意識がターゲットにあるのが“下回り”、ボールにあるのが“上回り”』です」と違いを解説してくれたのはプロゴルファー・立石健太。
「下回り」と「上回り」の違いがわかったものの、自分はどちらなのか？ 判断するにも「腕のロール」や「スウィング中の意識」だけでチェックするのは難しい。そこで立石は「どちらのスウィングか簡単にチェックする方法はありますよ」という。詳しく聞いてみると……
「チェック項目をあげるとたくさんありますが、誰でも判断しやすく、『下回り』と『上回り』の違いがハッキリと出る瞬間があります。それはテークバック時の始動。みなさんが意識している始動はどこでしょうか？」
「肩」「肩甲骨」「股関節」「腰」などゴルファーによって答えが違うはずだが、「下回り」と「上回り」はこの始動する場所が決定的に違うのだと立石は続ける。
始動で右腰を引くのが上回りスウィング（写真左）。それに対して下回り（写真右）は左肩甲骨から始動するため、腰が動いていないのがわかる
「『下回り』は左肩甲骨から動き始めるスウィングが正しい動きですが、『上回り』は腕をロールしてスウィングするため、始動で右かかとを踏んで右腰を引くのが正しい動作になります。ですから、後方から動画を撮影し、始動でどこから動いているのか、よくチェックしてみましょう！そうすることで『下回り』か『上回り』か判断することができるはずですよ」
仮に「左肩から始動する」と意識していたとしても、腕をロールしていると自然と腰が最初に動いてしまうとのことだ。また、その反対で「下回り」は「左肩甲骨」から動くため、トップの位置で少し腰が動くようなイメージのようだ。だからこそ「『下回り』はダウンスウィングで腰が自然と飛球線方向へ回っていくため、腰を回すという考えはない」というわけだ。
上回りから下回りにスウィング改造したプロゴルファー・立石健太
「プロゴルファーのなかにも『上回り』スウィングで戦っている選手は多いです。なので、『下回り』が絶対にいい！というわけではありません。『下回り』、『上回り』どちらもひとつの考えです、ですので『腕はロールぜずに』『スウィング中の意識はボール』というように混ぜてしまうとスウィング迷子になる危険性があるのでさけてほしいと僕は思います」
自分のスウィングは「下回り」「上回り」どちらだろうか？ まずは練習場でチェックしてみよう！続いては肝心な打ち方について。次回は下回りスウィングが身につくコツやドリルを含めて教えてもらおう。
※次回は2022年3月11日18時30分公開予定
