好きな形状のものを選びたいところだが、それだけではなかなかスコアに結びつかないのがゴルフの難しいところ。パター選びのコツを曲がったことが大嫌い、熊本出身のマスダゴルフ主宰・増田雄二氏に聞いてみた。

(質問)
ゴルフ歴40年を超えましたが、いまだに自分に合うパターがどういうものなのかわかりません。非常の多くの形状があり、最近はウェートや素材などの工夫も進んでいるようです。これまで何十本もいろいろなパターを買ってきましたが、入ったり入らなかったりで結果がまとまりません。(東京都 63歳 平均スコア87)

担当記者(※以下GD):ピンでは以前からストロークタイプに応じて、形状を推奨していますよね。たとえばフェースバランスのパターであれば真っすぐ引いてストレートに出すストローク、ピン型ならワイパーのようにアークを描いて打つ、みたいな。

増田:パターが変わったからといって、そんなに極端に打ち方を変える必要はないと思います。パターを持った時点で、そして振った感触でゴルファーは自然と反応して打ち方も変わることが多いです。

GD:マスダゴルフでは、おもに4種類のパターが発売されていますが、どれも難しそうです。最近は大型のマレット型パターをはじめ、オートマチックに打ちたいタイプのパターが多いので、とても個性的に見えます

増田:たしかに難しそうに見えますよね(笑)。『スタジオ1』というパターがあるんですが、それは20年近く前に作ったんですが、その当時でもやっぱり難しそうなパターでした。
 でも実際に買っていただいた方からは、ものすごく入るようになったという声が多かったんです。最初は大丈夫かな、クレームが来たかな、と思ったけど(笑) そういうことが何度も続いてて、今もそういう方がとても多いです。つまり、一見難しそうなパターでも本当の意味で難しいものではないということなんです。

画像: 一見難しそうに見えても本当の意味では難しくない、というマスダゴルフのパター。その意味とは……

一見難しそうに見えても本当の意味では難しくない、というマスダゴルフのパター。その意味とは……

GD:それは結局どういうことなんですか?

増田:ひとことでいうと操作性ですよね。まず真っすぐ自分の思ったところにアライメントが取れないといけない。構えたところにスッと構えられて、実際にも打ち出したい方向に打てる。

そして、いちばん重要といっていいのが距離感が出せるということです。パッティングでは傾斜を読んで、本当に繊細に距離感を出していかないといけない。私が設計するパターは、すべて距離感の出しやすいパターです。操作しやすく、タッチが出しやすい形状になっています。

距離感を出すには、打感が硬すぎても軟らかすぎてもよくないし、打音が悪くてもいいイメージは出ません。トータルで性能が出せるようにまとまりのあるパターに仕上げています。

GD:現代は直進性やミスヒットへの寛容性を高めたパターは多いですが、操作性や距離感を謳うモデルはたしかに少ないかもしれません。作るのはやはり難しいものですか?

増田:うちは機械加工で削り出しで作っているものが多いですが、機械で削ると無機質なものになりやすいんです。真っすぐに作っても人間の目で構えてみると、真っすぐに見えないことも少なくありません。だから、パター作りはやはり難しいですね。
 ですから、人の目で見て真っすぐに見えて、自然とイメージが出るようなパターを作ろうとしています。パターとしてのまとまりがあり、入りそうな雰囲気の出るパターです。

GD:質問者さんにはなんて答えればいいですかね……

増田:まず構えやすいもの。そして、思ったところに打ち出せること。そしていちばんは距離感の出しやすいパターを選択することです。いわゆる“やさしい”と言われているパターは、ミスヒットにはたしかに強いかもしれませんが、距離感は出しにくくなる傾向がありますね。

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