「バレロテキサスオープン」の取材を終え、マスターズの開催地、オーガスタへと向かった週刊ゴルフダイジェストのツアー担当・ケンジロウ。今回はデシャンボーのお話。
画像: マスターズ前のレポートはデシャンボーの話

マスターズ前のレポートはデシャンボーの話

こんにちはケンジロウです。

テキサスのサンアントニオよりお届けしています。バレロテキサスオープンが終わりました。

今回はブライソン・デシャンボーの話です。

彼は長らく怪我のため、試合に出ていませんでしたが、ようやくWGCデルマッチプレー選手権から試合に復帰。

左手の手のひらの付け根のあたりを骨折していたようでして、あのヘッドスピードですからねぇ、その部分に相当負担がかかっていたんでしょう。練習中でもときおりその怪我の箇所を右手で抑えてもみこむ姿もあり、まだ万全ではない様子でした。

WGCのときは「80%の状態」(デシャンボー)と会見で言っていましたが、マスターズが直前に迫っているので、少しフライング気味に復帰したのではと思われます。

バレロの試合会場の練習場ではコーチのクリス・コモと一緒にスウィングの調整をおこなっていました。

とくに左手の使い方を気にしている模様で、レッスンが終わった後に、ふたりでいったいどんなことをやっていたのか、コモに話を聞いてみました。

画像: 練習場でコーチのクリス・コモと改造しているフォームのチェックを繰り返しおこなっていたデシャンボー

練習場でコーチのクリス・コモと改造しているフォームのチェックを繰り返しおこなっていたデシャンボー

「彼の手はよくなってきたけど、だいぶ休んでいたからね。前の状態に戻すように頑張っているんだ。まだまだ治療も必要だけど、マスターズまでには間に合うと思うよ。
何をやっていたかって? 休んでいる間、時間があったから、これまでスウィングのフォームの改造をやってきたんだ。とくに左腕の使い方と言うか、彼はインパクトにかけて左ひじが曲がって左腕が上がってきやすいから、そうすると右にいきやすいんだよね。もうちょっと左ひじを伸ばすようなイメージでやっているんだ」

なるほど。このレベルでもけっこう細かいことをやっているんですね。

確かに最近は以前のアドレスと比べるとハンドアップ度合いが薄れていたような気がしましたが、そのあたりも影響していたのかな。

さて、彼がいまどんなクラブを使っているか、気になりますよね。

キャディのジグラーさんをつかまえて、こっそりと撮影させてもらいました。

その中身をご覧ください。

デシャンボーは今年からコブラの新しいドライバー「KING LTDx」を使っています。

画像: デシャンボーの新しいセッティングの中には45.75インチのドライバー。ロフト表示は「5」

デシャンボーの新しいセッティングの中には45.75インチのドライバー。ロフト表示は「5」

「新しいモデルがすぐにバッグに入ることはなかなかなかったけど、今回のは気に入っているよ」とキャディのジグラーさん。

注目したいのはその長さです!

ここ最近は47.5インチまで伸ばして長尺で飛ばしていましたが、今年から長尺ドライバー規制が入ったことで、45.75インチに短くしたようです。いろいろ試行錯誤して、その長さに落ち着いたそうですよ。ちなみにシャフトはパターのシャフトで日本でも知られている「LAゴルフ」。

重さは60グラム台だそうです。このシャフト、ドライバー用は日本ではなかなか目にしませんよね。デシャンボー用に特別チューニングしているようで、

「トリプルXのフレックスでとっても硬いよ。軽くて硬いほうがヘッドスピードが上がるからね」とジグラーさんは言っていました。

ドライバーを撮影していると、あら?ネックの部分に「5」という数字のシールが貼られているじゃありませんか!! これは何の数字かを、キャディのジグラーさんに聞くと、

「ロフトだよ。彼はロフト5.5度のドライバー使っているんだ。ロフトがありすぎるとスピンが増えちゃうからね。5.5度でだいたいスピン量2200回転~2300で収まるからね。7度で打ったら3000回転はいっちゃうんだ」とのこと。

そういえばデシャンボーは昔からローロフトのドライバーを使っていましたよね。

あのヘッドスピードだと、ロフトがあるとスピンが増えすぎちゃうんですね。

そして、ジグラーさんはこうつけ加えました。

「パターのほうがドライバーよりロフトあるんだよ!びっくりするだろ?」

ハイ、びっくりしました……

パターのロフトは、なんと8度もあるんです。

確かに彼は左手にシャフトをあてがってアームロック式で打ちます。支点が目標側にくるので、ロフトが必要になってくるとは思いますが、

8度はけっこうありますね。

そしてさらなる衝撃がもうひとつ!

スプーンのロフトの数字を見ると、なんと「10」と書いているじゃありませんかっ!

ロフトが10度ということで、だいぶ立ってますねえ。これで地面の球が上がるんでしょうかね。

もはや我々のドライバーのロフトじゃないですか。(ちなみに5番ウッドは14度!)

アイアンは昔と変わらず長さをそろえていて、今は37インチで統一しているそうです。
コチラのシャフトもLAゴルフの特注シャフト。

デシャンボー用に作ったモデルで、彼のハンチング帽のロゴマークが入っています。

撮影を終えて、キャディのジグラーさんにデシャンボーの飛距離を聞いてみました。以下、その飛距離早見表です(すべてキャリーの表示)。

1W/335~340Y
3W/310Y
5W /295Y
4UT/265Y
5UT/250Y
6I/235Y
7I/220Y
8I/205Y
9I/190Y
PW/175Y
GW/160Y
AW/145Y
SW/130Y

長尺をやめたとはいえ、キャリーで340ヤード出ているならじゅうぶんですよね。

スプーンで310ヤード、必要ですかね? それにサンドウェッジで130ヤードって……。

ちなみに3本のウェッジはすべてアーティザンで、もう2年ぐらい使っているそうです。GWが47度で、AWが53度、SWが58度。SWだけちょっとモデル違いで、ソールのデザインがお気に入りなようです。

100ヤード以内のコントロールショットは53度と58度を使い分けていますが、でもよく使うのは53度だそうですよ。いやはや、驚きばかりのデシャンボーのバッグの中身。

飛距離の早見表は、マスターズで彼のプレーを見るときのお供にしてくださいね!

写真/ケンジロウ

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