すべてのゴルファーあこがれの場所「オーガスタ ナショナル ゴルフクラブ」。「マスターズ」が開催されるこの美しいコースの魅力を写真家・宮本卓が語る

記憶に残る名シーン

Bubba Watson バッバ・ワトソン

「トラックマン」などの弾道測定器の技術が発達し、試合中でもプロが打ったボールの弾道が即座に表示されるようになってきた。選手が、どのようにオーガスタを攻略するのか、球筋がわかるだけでも面白さは倍増する。

 ドッグレッグの多いオーガスタでは、ティーショットもフェアウェイ幅を目一杯使って左右に打ち分ける必要がある。セカンドショットは”激ピン”と呼ばれる、とんでもない場所にカップが切られていようが、グリーンの硬さやカップの位置に応じてイメージを膨らませショットする。

 得意なひとつの持ち球だけではなく、いろいろな引き出しを持っていることが、この最高峰の舞台で演じる役者には必要なことなのかもしれない。

 昔はドローを打つ選手が有利と言われたオーガスタだが、2000年以降、レフティのマイク・ウィアー、フィル・ミケルソン、バッバ・ワトソンで6勝も挙げている。この3人はボールを曲げて攻めるのが得意で、なかでもバッバの曲げ方は半端ではない。テレビカメラでも彼の球をとらえるのは至難の技と言われている。

 彼が名物パー3、12番にやって来た。風が舞い、クラブ選択が難しいホール。グリーンは「レダン」と呼ばれ、奥行がなく、ティーイングエリアに対して斜めにレイアウト。手前は池、奥にこぼすと寄らない厄介なホール。

 ギャラリーは固唾を飲んで彼のボールの行方を追おうと必死だ。ボールはブーメランのように大きな弧を描きグリーンを捉えた。オーガスタの「千両役者」という言葉がぴったり当てはまる。

画像: 写真・文/宮本 卓 1957年7月10日、和歌山県生まれ。1987年より海外に活動の拠点を移し、マスターズをはじめとするメジャーの取材だけでも100試合を超える。単にゴルフゲームを追うだけではなく、光と影を巧みに利用し、その奥に潜む人間の真理を表現。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員

写真・文/宮本 卓
1957年7月10日、和歌山県生まれ。1987年より海外に活動の拠点を移し、マスターズをはじめとするメジャーの取材だけでも100試合を超える。単にゴルフゲームを追うだけではなく、光と影を巧みに利用し、その奥に潜む人間の真理を表現。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員

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