1952年ベン・ホーガンが歴代チャンピオンのためにディナーを供したことから始まった伝統行事。今年松山がホストの大役を任されるとタイガーが「期待している」。ジョーダン・スピースは「14年にダンロップフェニックスに出場したとき宮崎で食べた和牛は(ステーキで有名な)故郷テキサスには悪いけれど、人生最高だった。それに刺身や魚の味噌焼き。考えただけで興奮が止まらない」と熱く語り大きな話題になった。
ビッグネーム垂涎のメニューは前菜に刺身の盛り合わせとにぎり寿司、焼き鳥。メインは黒たらの味噌焼き。さらに宮崎和牛ステーキ、きのこと野菜添えが続きデザートにイチゴのショートケーキ(日本風)というラインナップ。
食べる前から興奮を隠せなかったスピースは「ヒデキの手を握ってこのメニューを選んでくれてありがとうと言いたい」と喜んだ。
15年にマスターズを制覇したスピースは翌年のチャンピオンズディナーでテキサスビーフのバーベキューを振る舞ったがそのとき以上の興奮度に周囲も「あの冷静なスピースが?!」と驚いくほど。
「思い出に残る5つ星ディナー」と評したのはセルヒオ・ガルシア。フレッド・カプルスも「一年で一番楽しみにしているディナー。ヒデキは素晴らしい仕事をしてくれた」と称賛した。
これまで5回チャンピオンズディナーのホストを務めたタイガー、97年に初優勝した翌年はチーズバーガー、チキンサンド、フライドポテト、ミルクシェークという若者らしい(?)カジュアルなメニューだった。しかしその後ツアーを戦う上で栄養面にも気を使うようになりハンバーガーを封印している。
過去のチャンピオンズディナーでもっとも意義深いといわれているのが11年フィル・ミケルソンがメニューを決めたスパニッシュナイト。当時脳腫瘍で闘病生活を行なっていたマスターズ2勝のセベ・バレステロスに敬意を評しシーフードパエリアやスペイン伝統のデザート、アップルエンパナータなどをチョイス。そのわずか1カ月後オーガスタを湧かせたスペインの英雄セベは還らぬ人となった。
たかがディナー、されどディナー。チャンピオンズディナーにもさまざまな物語がある。