松山英樹が2位タイに浮上し、2連覇へ向け俄然、期待が高まるなか、今年のコースはどうなのか?  週刊ゴルフダイジェストのツアー担当・ケンジロウがオーガスタの改造された2ホールに注目した!

こんにちはケンジロウです。
ジョージア州のオーガスタよりお届けしております。マスターズ2日目が終わりました。
予選ラウンドが終わって、8アンダーのスコッティ・シェフラ―が独走していますが、その下は3アンダーに4人並ぶなど、なかなかスコアが出ない展開になっています。

予選落ちした顔ぶれの中にはブルックス・ケプカやザンダー・シャウフェレ、ジョーダン・スピースなど世界ランキング上位者もいて、果たして誰が優勝するのか読みづらい状況にはなっています。
さて、今回のマスターズ、去年に比べて総距離が伸びているのはご存じですか?
11番が15ヤード伸びて520ヤードに、15番が20ヤード伸びて550ヤードに伸びて、昨年よりトータルで35ヤード長くなっています。

その2ホールの距離が変わってどうなったのか?
選手たちは戦いづらくなったのか? 実際にその2ホールの選手たちのプレーを見て検証してみました。

画像: ティーイングエリアが下がって、より難易度が増した11番ホール。右サイドへ打っていってもボールは傾斜で左サイドへ

ティーイングエリアが下がって、より難易度が増した11番ホール。右サイドへ打っていってもボールは傾斜で左サイドへ

まずは11番ホール。
ティーイングエリアが以前より下がり、そして高さが以前より低くなっているようです。
さらにティーイングエリアの向きを左にふったようで、「右を狙わせない」という意図を明確に表わしていいます。でも毎年見ていないとわからないですよね、この微妙な変化……。

ここ数年は右ルートで11番を攻略する選手が多かったですからね。
右の林を越すにはキャリーで310ヤードは必要で、ほとんどの選手は越えることができません(デシャンボーは右の林を越すと豪語していましたが…)。
距離を下げ、さらに左にふったことで、しっかりと正規ルートを攻めさせ、さらに距離を出さないと、2打目でチャンスにつけられないような状況にしています。

ティーイングエリアの後ろから見ると、打ち出していく方向が本当に狭く感じますよね。
狭いフェアウェイを狙っていってもあまり左過ぎると、今度は2打目にアングルがつかずなかなかピンを狙っていくことは難しいです。
以前と変わらず「2打目はグリーン右サイドに外してそこからアプローチ」という戦い方がより顕著になったのではと思います。
ちなみに松山英樹は初日、2日目ともに素晴らしいティーショットでフェアウェイの左サイドをとらえましたが、それでも2打目は、ともに200ヤードぐらい残っていました。

初日はボギー、2日目はパーで、なかなかバーディをとれるホールではないんですよ。
実際に2日間を終えて、11番ホールは全体でもっとも難しいホールになっています(アベレージ4.542)。2019年に5番ホールを40ヤード伸ばして以来、最難関ホールは5番でしたが、どうやら今年は11番ホールがいちばん難しいホールになりそうです。

続いて、15番ホール。
こちらもティーイングエリアが後ろに下がって、2打目の戦略がガラッと変わりました。
300ヤードヒッターがティーショットに成功しても、2打目が240~250ヤード近く残るようになりました。松山選手は初日は2打目がスプーンでしたからね。

画像: 15番ホール、2打目でFWでのショットを要求されるようになった。果敢に2オンを狙っていくタイガー・ウッズ

15番ホール、2打目でFWでのショットを要求されるようになった。果敢に2オンを狙っていくタイガー・ウッズ

距離が出ない選手は、もうノーチャンス。レイアップして3打目勝負するしかありませんが、これまたレイアップも難しいんです。
池に向かって急激な下りですし、さらにピンに対してアングルをつけたいですからね。

今日、松山英樹と一緒にまわっていたジャスティン・トーマスは、距離の伸びた15番ホールに関して、試合前の会見でこんなことを言っていました。
「15番のグリーンは、もともと5番や6番アイアンで打っても硬くて、大叩きしやすかったけど、それが3番ウッドとか5番ウッドとかだと余計に難しいよね。キャディのボーンズと話したんだけど、今年はもしドライバーを右サイドにおけたら、グリーンにアングルがとれるので、そうしたらグリーンを狙うことを考えるよ。でもそれもクラブや風次第だけどね」

ジャスティン・トーマスは、2日目の今日、15番の2打目で、まさにその右サイドのフェアウェイからピンハイにスーパーショットを放ちました。フェアウェイウッドで打った球はランがほぼありませんでしたからね。

さて、スタッツを見てみると、15番も難しいホールになったのかなと思いきや、こちらは全体の15番目に難しいホールとなっていて、難度は昨年と変わりがありません。
距離が伸びても難しさは変わらないんですね。
ただ、「飛距離の出る選手が有利になったなぁ」という印象はぬぐえません。
ドライバーで280ヤードぐらいの選手は、もうそもそも2オンは諦めているはずです。

ちなみにみなさん、11番ホールの次に難しいホールは何番だと思います?

答えは18番です。初日もここでボギー以上を打つ選手がたくさんいました。
そのあとに難しいのは、5番、10番、1番と続きます。

毎年同じコースでやるメジャー大会は、毎年コースに何らかの仕掛けを用意してきますが、今年の仕掛けは果たして選手にどう響いているんでしょうね。
とくに最終日の優勝争いの場面で、このインコースの2ホールの飛距離増が新たなドラマを生むかもしれませんね。

撮影/Blue Sky Photos

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