PGAツアーで唯一2人1組のチーム戦で競うチューリッヒ・クラシック・オブ・ニューオリンズが開幕。初日のフォアサム(2人のうち良い方のスコアを採用)ではパトリック・キャントレーとザンダー・シャウフェレペアが『59』をマークしトップに立った。一方世界ランク最上位組のコリン・モリカワ&ヴィクトル・ホブラン組は7アンダー65の28位タイとやや出遅れ。アマチュア時代からのライバルの関係性とは?

モリカワとホブランはともに19年の秋にプロ転向した通称「クラス19」の中心選手。アマチュア時代から凌ぎを削ってきたライバルでデビュー前はホブランがマスターズ&全米オープンでローアマに輝くなど一歩リードしていたが、プロではモリカワが全米プロと全英オープンでメジャー初挑戦初戴冠を果たし現在世界ランク2位。ホブランもツアー3勝ながらコンスタントな成績で同ランク5位につけている。

マスターズで最終日をモリカワと一緒にプレーしたローリー・マキロイが「僕らはライバルだけれど毎週一緒に旅をする仲間でもある。相手が良いプレーをすればうれしい」と言ったがモリカワとホブランはマキロイの言葉通りの仲。

プロデビューしたばかりの2人が19年のZOZOチャンピオンシップで来日したとき大会前のジュニアイベントに登場しデモンストレーションを行なった。登場シーンから冗談を言い合うなど仲のよさが際立ち、デモンストレーションではモリカワがフェード、ホブランがドローを打ち分け、選手によって得意な球筋があることをジュニアに説明。そして最後は「ゴルフを楽しんで欲しい」と笑顔で語った。その2人がわずか数年で世界ランクトップ5に名を連ねるとは想像すらしなかった。

画像: 2人1組のチーム戦「チューリッヒ・クラシック・オブ・ニューオリンズ」でペアを組んだコリン・モリカワ(左)とビクトル・ホブラン(右)。初日は7アンダー28位タイでフィニッシュとなった(写真/Getty Images)

2人1組のチーム戦「チューリッヒ・クラシック・オブ・ニューオリンズ」でペアを組んだコリン・モリカワ(左)とビクトル・ホブラン(右)。初日は7アンダー28位タイでフィニッシュとなった(写真/Getty Images)

ライバルといえばギスギスした関係というイメージがあったのは昔の話。タイガー・ウッズとデビッド・デュバルがナンバー1争いをしていた頃、ワールドカップでペアを組み来日(01年太平洋御殿場GC)したときも周囲がハラハラするようなピリピリとした空気感を醸し出していた。

画像: 当時のタイガー・ウッズ(左)とデビッド・デュバル(右)。写真では笑顔で話し合っているが、世界ナンバー1を争う仲で、空気感はピリピリしていた(写真は2001年のワールドカップ)

当時のタイガー・ウッズ(左)とデビッド・デュバル(右)。写真では笑顔で話し合っているが、世界ナンバー1を争う仲で、空気感はピリピリしていた(写真は2001年のワールドカップ)

長年のライバル、タイガーとフィル・ミケルソンは一緒の組になってもひとことも喋らないこともあり長い間犬猿の仲といわれたもの。しかしミケルソンの妻エイミーさんが乳がんを患ってからお互いを思い遣るようになった。

その昔ビッグ3と呼ばれたアーノルド・パーマー、ジャック・ニクラス、ゲーリー・プレーヤーはお互いを蹴落としてでも優勝したいという闘争心むき出しだったが3人で世界中を飛び回りゴルフ普及のためのエキジビションマッチをおこなっていただけに普段はとても仲がよかった。

一緒のホテルに泊まり食事も一緒。ときにはホテルとゴルフ場の往復しかできない生活に嫌気がさし「アイスペールの氷を誰ともなしにかけあい床一面を氷まみれにして爆笑。ストレスを発散したこともある。あれは傑作だったよ」とプレーヤーが思い出話しを懐かしそうにしてくれたことがある。パーマーは他界したが今でもニクラスとプレーヤーは夫婦でバカンスを一緒に過ごすほど仲がいい。

モリカワとホブラン、ジョーダン・スピースとジャスティン・トーマス、ブライソン・デシャンボーとブルックス・ケプカなどなど。ライバルたちの物語はゴルフをより面白くするスパイスだ。

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