高級なゴルフクラブに、こうやって使うと性能が生かせる、などといった説明書はついていない。説明書があるほうが、うまく使いこなせる気がするが、増田氏の見解は？
（質問）最近はネットで閲覧するようになりましたが、家電などには説明書があり、正しい使い方の説明があります。ゴルフクラブも道具である以上、説明書が必要なのではないでしょうか。それぞれのゴルファーが思い思いに使っていては、設計者が意図する性能が発揮できない気がします（神奈川県 45歳 平均スコア84）
担当記者（※以下GD）：これは私も必要だと思います。以前、増田さんにウェッジやパターの使い方を教えていただいて、結果がよくなりました。作ってる人はどう使うかを想定しているわけですから、道具の性能を引き出すには、正しい使い方をしないと。
増田：どうでしょうね。なくてもいいんじゃないかな（笑）。例えば、ホームセンターに行くといろんな種類の包丁を売ってますが、切り方の説明とかはないでしょう。バットでもラケットでも、使い方をわざわざ説明したりはしていないはずです。家電も最近はかんたんな説明書しかついていなかったりするでしょ。
これはまさに道具だから。直感的に使い方を理解して、あとは各々が工夫して使うわけです。わざわざうるさく説明しなくても、なんとかみんな使ってるはずです。ゴルフクラブも使い方がわからないなりに、振って、フェースにボール当てて、飛ばしているはずです。
GD：あれ、そうなんですか？ 買ってみたはいいものの、なかなか道具の機能を使いこなせていないと感じてるゴルファーは多いと思いますよ。
増田：車に例えると。お金さえあれば、ポルシェでもフェラーリでも買うことはできるでしょう？ でも、誰もがレーサーのように車を乗りこなして、その車のポテンシャルを引き出せるわけじゃない。むしろそれはごく一部の人です。だけど、だからといってその車に乗るなとは言えないでしょう（笑）。
むしろ、免許さえ取ってれば、それなりに車を走らせることはできます。運動性能のよし悪しはわからないかもしれないし、コーナーを攻めたりもできないけど、でもなにかよさを感じることはできるんじゃないかな。
GD：まあ、使いこなさなくても所有感を満たすみたいなところはありますね（笑）
増田：そう。所有感を満たすためにクラブ選びすることもあるし、できるだけ結果をまとめたいと思ったら、フィッティングを受けてもいいでしょう。このクラブは、こう使わないといけない、といった四角四面なものではないんです。だからこそ、ゴルフは奥が深いんです。とはいえ、うちのクラブは使っていると、自然と打ち方もよくなりますよ。打ちやすさとか、クラブの操りやすさを考えて、気持ちよく使えるように設計しているつもりです。そうやって自然に上達することができれば理想的ですね。
