ゴルフの上達を目指すゴルファーにとって役立つ情報を発信する「みんゴル・ゴルファー応援隊」。隊長に就任したシングルプレーヤー・マツケンが上達のヒントになることをひとつずつ紹介する!

フェースにボールが乗っていますか?

ドライバーやアイアンでは目の覚めるようなショットを放ち、飛距離も出る。さぞかし好スコアで上がってるかと期待していると信じられないほど叩いている。こんなゴルファーは、大抵グリーン周りで「やらかして」いるようです。

私が見てきたゴルファーで、アプローチに苦労されている方に共通しているのが「打とうとしている距離に対してスウィングが小さい(バックスウィング)が小さい」ということ。しかし、大きいバックスウィングを勧めても大抵のゴルファーが「オーバーしそうで怖い」と言います。

そうした方のアプローチは、ダフリ以外はほぼハーフトップか、フェースがかぶってしまってロフトが立った状態でボールに当たってしまっています。要するにボールがフェースに乗っていないのです。ウェッジではボールがフェースにきちんと乗っていないと、たとえスイートスポットでヒットしたつもりでもボールの勢いが強く、スピンも利かないため、大抵はピンをオーバーしてしまいます。

画像: フェースにボールが乗る感覚を掴むにはどうしたらいいのだろうか?

フェースにボールが乗る感覚を掴むにはどうしたらいいのだろうか?

その結果、どんどん小さいスウィングになり、今度はその小さいスウィングでなんとか届かせようとして手先を速く振ってしまう。そうなるとさらにボールが強くなってますますスウィングが小さくなる、という悪循環に陥ってしまうのです。これは結構、上級者でも陥りやすいスパイラルです。

あくまで目安ですが、しっかりフェースにボールが乗っていれば、一般男性ゴルファーの場合、クラブはロフトが56度から58度くらいのウェッジで、バックスウィングは腰の高さまで、としてキャリーの距離は30ヤード以内に収められるはずです。もちろん、ロブショットでもフェースを開く特別なショットでもありません。これ以上飛んでしまうという方は、フェースにボールが乗っていないケースが多いので要注意です。

では「フェースがボールに乗る」とはどういう状態でしょう?

そもそもウェッジの形状を思い浮かべてみましょう。7番アイアンや9番アイアンに比べてフェースに高さがあります。これはロフトの大きいクラブほど、フェースに当たってからボールがフェース上方にせり上がったあとボールが飛び出していく、そのせり上がりによってスピンを生んでいるというメカニズムによります。そのせり上がりをきちんと作れているのが「フェースがボールに乗る」という状態です。至極当たり前のようですが、ここを忘れてただ「フェースにボールを当てる」ことだけになってしまって、アプローチショットをひどく難しいものにしてしまっている方が多いように感じます。

ではボールを「フェースに乗せる」ためのポイントは何か?

まずは 手首のコックからバックスウィングを始動すること。30ヤードのショットでもしっかり手首を曲げてください。これも「こんなにコックしたら、飛び過ぎてしまいそうで怖い」と言う方が多いです。しかし逆にここがポイント。コックが不十分だから、インパクトエリアでリリースが早くなってヘッドがり、フェースに乗らずに強い球になってしまうのです。

画像: フルコックをキープしたままインパクトを迎えることがポイント!(撮影/増田保雄)

フルコックをキープしたままインパクトを迎えることがポイント!(撮影/増田保雄)

フルコックしたら、それをキープしたままインパクトを迎えます。左のグリップは緩めない。手元の動きはこれだけ。あとは股関節と肩の動きでスウィング。どんなに短い距離でも股関節や肩をしっかり動かし、極力手元の動きは抑える。こうした意識を持つようにすると、フェースにボールが乗って、ボールがゆっくり飛び、キャリーを抑えられるようになります。「こんなに振っても飛ばないんだ!」と実感できたら、もう大丈夫です。

きちんとフェースに乗ったかどうかは、フィニッシュでのフェース向きでもチェックできます。自分の右手の手の平とフェースが上空を向いていればOK。感じがつかみにくい方は、浅いラフからのアプローチを練習してみてください。地面とボールとの間に空間があるラフはソールがボールの下に入り易く、「フェースに乗る」感覚をつかみやすいと言えます。

普段は当たり前過ぎて意識していない「フェースにボールを乗せる」という感覚。これがきちんとできると世界が変わるかもしれません。

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