ルーキーのサヒース・ティガーラがサンデーバック9で3バーディを奪いシャウフェレを逆転。1打差ビハインドで迎えた最終ホール。シャウフェレが放ったティショットは339ヤード先のフェアウェイ右サイドを捉える完璧な1打だった。
その頃1つ前の組で回っていたティガーラがピンチに陥っていた。バンカーからのセカンドショットが高いアゴに阻まれ脱出失敗。3打目でフェアウェイに出したがグリーンには届かず、4打目でようやく寄せ絶妙なパットを決めたものの痛恨のボギーで初優勝の夢はついえた。
その場面を「見るともなく見て若干ショックを受けていた」という最終組のシャウフェレはフェアウェイの絶好のポジションから残り105ヤードを1メートルに寄せるスーパーショットでバーディを奪い、ティガーラらに2打差をつけ個人戦としては19年のセントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ以来3年半ぶりのツアー通算6勝目を挙げた。
昨年東京オリンピックで金メダルを獲得しており、今季もチューリッヒクラシックで勝っているがそのときはパトリック・カントレーとタッグを組んでのチーム戦。これまでトップで最終日を迎えたときには2位が3回、3位が1回と負け続けてきただけに喜びもひとしおだ。
「ツアーには有望な若手がどんどん出てきて最近自分はすごく年取ったような気がしている。まだ28歳だけれどツアーでは古株。若い選手が次々に優勝するのを見て、それが自分にとってモチベーションになってより頑張ろうと思えている。(新リーズの出現で)ゴルフ界が分断されているといわれているけれど、ツアーの未来は明るい」とシャウフェレ。
17年のデビューイヤーにいきなりザ・ツアー選手権に優勝しセンセーショナルな話題を振りまいたもの。当時から若手の急先鋒と呼ばれてきた彼が「もう年だ」というのだから時の流れ早い。
個人では久々のツアー優勝、初めての逃げ切りVに加えシャウフェレにとって特別だったのがこの日が妻マヤさんとの結婚1周年記念日だったこと。
この勝利をどのように祝うのか? と聞かれた彼は「ここでは祝わずなるべく早く家に帰って妻に会いたい」と笑顔で会場を後にした。
ウィル・ザラトリスと並びネクストメジャーチャンピオン候補のシャフフェレは来月の全英オープンでもう1つの「メジャーで勝てない」というジンクス撃破に挑む。