ブリヂストンスポーツ(BS)の顔だったブライソン・デシャンボーが契約終了となった。そう聞くとLIVゴルフに移籍したのが原因か? と思ってしまうが担当者に聞くと理由は別。ゴルフを科学するマッドサイエンティストになにがあった?
画像: グリーン上で「Bマーク」のボールをセットするデシャンボー。もうこの姿を見ることはできない。話題性も 実力もある選手だけにメーカーとしても惜しい存在だ(写真は2021年アーノルドパーマー招待 撮影/KJR)

グリーン上で「Bマーク」のボールをセットするデシャンボー。もうこの姿を見ることはできない。話題性も
実力もある選手だけにメーカーとしても惜しい存在だ(写真は2021年アーノルドパーマー招待 撮影/KJR)

16年にマスターズでローアマに輝いた直後プロ転向しRBCヘリテージでデビューしたデシャンボーはウッド以外のクラブ長さを揃えるワンレングスアイアンを使用するなど当初から我が道を行くゴルフ界の異端児だ。

じつはマスターズが終わった時点でBSとボール&グローブの使用契約を結んでおり、その年、日本国内ツアーのブリヂストンオープンにも参戦している。来日直前に電話インタビューするとさすがマッドサイエンティストというべき逸話を話してくれた。

「メーカー各社のボールを塩水の入った水槽に入れて性能をチェックしました。この実験でボールの重心位置がわかるんです。で、BSのボールがいちばん均一性が高かった」とデシャンボー。

「重心が真ん中からずれている球は塩水の中で回転させると早く沈みます。いびつなボールがもっとも少なかったのがBSのボール。品質管理が行き届いているんです」と話していた。さらに「自分からBSさんに契約して欲しいとお願いしました」とも。

彼の影響(勧め)もありタイガー・ウッズがBSとボール契約したのは有名な話だ。

2年前デシャンボーは難コースをパワーでねじ伏せ全米オープンチャンピオンに輝いたが、周囲からは「ゴルフを別のゲームにしてしまった」と感嘆とも驚愕とも取れる反応が。
昨年は世界ドラコン選手権にも出場しベスト6入りし異端児ぶりに拍車をかけた。

その花形スターと契約終了の経緯は下記の理由の様だ。担当者によると

「当社グループは、PGAツアーを通じてグローバルスポーツマーケティングをおこなっています。
今回、PGAツアーに参加しないことを考慮し、合意の上でアンバサダー契約を終了することになりました」とのこと。

確かにLIVゴルフは地上波での放映はなくストリーミング配信のみ。PGAツアーで活躍しブリヂストンの名前を広めてもらい、道具の良さを知ってもらうための契約であるはずなのに、スポンサーにとっては費用対効果を考えると面白みがない。BS側は否定するが新リーグの出現が契約解除の遠因であることは確かだろう。

今後、デシャンボーがどのメーカーのボールを使うのかは定かではない。しかしたとえ契約金を貰えなくてもLIVへの移籍金はタイガー・ウッズの生涯獲得賞金額に匹敵するといわれている。ボール契約解除によるダメージは微々たるものなのかしれない。

飛距離やパワーでゴルフを変えたデシャンボーは選手とスポンサーの関係も変える?

画像: 契約を結んだ2016年には来日してブリヂストンオープンに出場した

契約を結んだ2016年には来日してブリヂストンオープンに出場した

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