1860年に始まった世界最古のトーナメント、全英オープンがセントアンドリュースで初めて開かれたのは1873年。第150回大会となる今年で30回目の開催となる。そこでオールドコースで開かれた近年の全英オープンを振り返る第2回目。
20世紀最後の全英で史上5人目の4冠
2000年の全英オープン開幕前から注目を集めていたのは23歳のタイガー・ウッズ。1997年マスターズ、99年全米プロ、2000年全米オープンを制し、この大会で勝てばキャリアグランドスラム達成となる。目下敵なし、絶好調のタイガーだったが、コースの下見に余念がなく、練習ラウンドでは何度もバンカーショットの練習を繰り返す。実はこの年にバンカーが改造され、底が平らになったことから、それを警戒したタイガーは予選ラウンドから最終日までバンカーを徹底的に避ける戦略をとり、大会中一度もバンカーに入れることはなかった。
バンカーを避ける作戦が功を奏し、タイガーは初日こそアーニー・エルスに1打差で首位を譲ったが、2日目以降は一度も首位を譲ることなく、2位に8打差を付け快勝。結果だけを見れば圧勝だったが、最終日にタイガーに追いすがったのが当時〝タイガーのライバル〟と呼ばれたデビッド・デュバル。6打差の2位からスタートすると8番まで4つのバーディを奪うなど追走。しかし17番のロードホールバンカーにつかまりダブルパーを喫するなどインで7つスコアを落とし無念の11位タイ。優勝を狙える位置まで盛り返したが、やはりキーとなったのは、タイガーが避け続けたバンカーだった。
【日本人成績】米山剛41位タイ、丸山茂樹55位タイ、細川和彦70位タイ、予選落ち/尾崎直道、友利勝良、今野康晴、佐藤信人、宮瀬博文、片山晋呉、水巻善典