1860年に始まった世界最古のトーナメント、全英オープンがセントアンドリュースで初めて開かれたのは1873年。第150回大会となる今年で30回目の開催となる。そこでオールドコースで開かれた近年の全英オープンを5回にわたって振り返る第3回目。
オールドコースでの全英を2度制覇したニクラス
2005年、65歳となった帝王ジャック・ニクラスは「セントアンドリュースは自分のゴルフ人生にとって、とても大切な場所。最後の全英オープンとして、最もふさわしいと思う。最後にセントアンドリュースで優勝した78年は、2ストロークのリードで18番のフェアウェイを歩いていると、みんなが身を乗り出し、熱狂的な大歓声と拍手で私を迎えてくれた。背中を叩いて祝福してくれた人もいたし、人生において大きな思い出となっている」と、全英オープンを最後に引退すると表明。
練習ラウンドからギャラリーたちは「ジャック・イズ・バック」の大声援と拍手で出迎えるもニクラスは惜しくも1打足りずに予選落ち。だが最終18番では意地のバーディで締めくくり帝王の貫録を見せつけた。2日間同組でプレーしたルーク・ドナルドは「途中から自分のプレーなんてどうでもよくなってしまった。いちファンとしてジャックを応援していた」というコメントを残している。
試合は初日に首位に立ったタイガーが、3日目こそスコアメイクに苦しんだものの、2位に2打差をつけて首位で最終日を迎える。前半2つ伸ばして迎えた10番パー4、ドライバーでワンオンを狙ったタイガーだったが、バンカーにつかまりボギーとし、2位に1打差まで詰め寄られる。その後12番パー3でバーディを決め、迎えた14番パー5の3打目。フォローの風のなか、放ったロブショットがピンそばにつき、これを冷静に決めてバーディを取ると勝負あり。全英オープン2勝目も聖地セントアンドリュースで決め、メジャー10勝目、〝ダブルグランドスラム〟を達成した。
【日本人成績】高山忠洋23位タイ、藤田寛之41位タイ、予選落ち/丸山茂樹、谷口徹