全英オープンに初出場する桂川有人。難コース、セントアンドリュースを前に、彼はどんな対策を講じているのか、渡英直前に聞いてみた。

2番ホールのティーショット対策

今シーズンの国内男子ツアーで、新人王候補ナンバー1の活躍をしている桂川有人。国内1勝をあげ、賞金ランキングも現在2位。その勢いのまま、今回の全英オープンの切符もつかんだ。

大学を出たばかりの23歳だが、そのクラブ選びにはベテランじみたこだわりがある。以前、試合当日の朝の練習場で、ドライバーを打ってはトウとヒールのウエイトをカチャカチャいじっている彼の姿を見たことがある。しかもその後の試合会場でも何度となくそうしたシーンを見かけた。

後日、桂川本人に試合前にウエイトを替える理由を聞いたところ、「朝の練習でその日のアイアンのつかまり具合を見て、ドライバーのウエイトを調整して重心距離を微妙に変えています。アイアンを打って『今日は球がつかまるな』となれば、ドライバーのトウ側を重くして“つかまらない側”にセットします」と答えた。

画像: レギュラー14本に入らない、“1.5軍の選手”たちをいつも持ち歩いている桂川

レギュラー14本に入らない、“1.5軍の選手”たちをいつも持ち歩いている桂川

クラブ契約をするスリクソンとは11本契約で、それ以外のクラブは、中古クラブを投入することもしばしば。中古ショップのサイトを見て自分でクラブを探すのが好きで、「品物の写真を見て、状態をチェックしています。ランクがA、B、Cあっても買うのはだいたいCが多い。Bのほうが美品かもしれないですけど、5000円ぐらい高いので、Cでいいのを探します。まだ金銭感覚が学生時代のままというか、Cの中でいいのを探すことが多いですね」

「今回買ったのもそれです」と見せてくれたのがキャロウェイのエピックフラッシュ。現在5番ウッドのエースとして活躍していて、「ローグを使っていたんですけど、もっといい球が打てるなと思ってこちらにしました」と桂川は嬉しそうに話す。

そんな“いぶし銀”の桂川がスコットランドに持ちこんだのが、ある3本のクラブ。中古で買ったエピックフラッシュの替わりとなる、ロフト18度クラブの代替品で、「オールドコースの2番ホールのティーショット用として、お願いして作ってもらいました」

2番ホールといえば、左サイドの315ヤード地点に“チープスバンカー”というバンカーが大きな口を開けて待っている。ドライバーだとそこに入ってしまうのだろう。見れば、ひとつがスリクソンの「ZX-UT」、もうひとつがキャロウェイの「XフォージドUT」、さらにAグラインドの「BZ-H ハイブリッド」だ(これだけロフト17度)。どれを使うかは、現地の練習ラウンドで2番ホールのティーショットを打って決めるそうで、5番ウッドのままでいく可能性もあるとのこと。

画像: ZX-UTはほとんど打った痕跡がないが、「練習で1球打ってめっちゃいい球だったので、使わないでそのままにしています。ちなみにこれはビンセント選手も愛用しているモデルです」(桂川)

ZX-UTはほとんど打った痕跡がないが、「練習で1球打ってめっちゃいい球だったので、使わないでそのままにしています。ちなみにこれはビンセント選手も愛用しているモデルです」(桂川)

と、こんな話をしながら、さらにサブのキャディバッグに入っている1.5軍の選手たちの説明を始めた桂川。クラブ好きなのが伝わってくる。

「新しいコースに向けてどんなクラブを持って行こうかとか、いつも考えています。こういうことを考えるの好きなんですよね。セントアンドリュースのコースメモはまだ見てないですけど、前回のオールドコースのときの全英オープンのDVDはもらっているので、ザック・ジョンソン選手がどうやって勝ったとか、研究しようと思っています」

果たして桂川はどのクラブで試合に挑むのか? テレビ中継でチェックしてみよう。

写真/有原裕晶

画像: my-golfdigest.jp
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