みんゴル取材班(以下、み):いよいよ7月14日に第150回の全英オープンが開幕しますが、オールドコースで難しいのはどんなところですか。
中嶋:難しいといったらやっぱりバンカーでしょう。私が一番最初23歳で出たとき(78年、107回大会)には練習ラウンドでバンカーを全部覚えようとしたんです。一応コースの絵みたいなものもあったけれど、たくさんありすぎて4ホールくらいで覚えるのを止めてしまいました。もう運が悪いと入るんだなって。
み:運任せですか。実際どうやって攻めたらいいのでしょうか。
中嶋:ひとつだけいえるのはキープレフトです。なぜならコースの右側がブッシュで、8番、9番、10番以外のホールは全部右側がトラブルです。キープレフトで打っておけば大体いいことがあるのがオールドコースです。
み:そういわれると意外とやさしいのではないかと思えてきます。
中嶋:全英オープンを開催するコースの中ではやさしいほいうです。オールドコースは行って帰ってのレイアウトだからコース幅が倍。日本のコースの3つ分くらいの広さがあるわけです。フェアウェイに打つだけならほとんど難しくありません。ただバンカーが覚えられない。
み:やっぱりそこですか。
中嶋:後は起伏ですね。リンクスだから平らかと思えばグリーン周りがけっこううねっています。なにしろボビー・ジョーンズがオーガスタを作るときに真似をしたくらいですから。しかもオールドコースにはグリーンにかかった起伏がいっぱいあります。これはグリーンじゃない?って思うくらいの傾斜がバンカーのほうに流れています。
み:日本のコースならグリーンに乗ったボールがバンカーに落ちることなんかあり得ません。
中嶋:すり鉢のような傾斜の底にバンカーがあってそっちにいったボールは全部バンカーに転がるようになっていますからね。ハザードの面積が実際より大きいと考えなければいけません。フェアウェイ打つことは問題なくても無数にあるバンカーをどう避けるが大事です。
み:あとはバンカーに入った後の処置ですか。
中嶋:自分を過大評価せずバンカーに入ったら横に出すことです(笑) でもピンをねらいたくなるんですよね。そして打てども、打てどもずっと同じところにボールが戻ってくるんです。
み:それが「トミーズバンカー」だったわけですね。