とくに日本のコースでは、高低差の影響で打ち上げ・打ち下ろしのシチュエーションが多い。そんな高低差のある状況でショットする際の注意点と対策を、プロゴルファー・大谷奈千代に詳しく教えてもらおう。

上下のロケーションに御用心!

日本のゴルフ場って、登りのホールがあれば下りのホールもあって、登山さながらのゴルフ場がたくさんありますよね。プレー中、立っているだけで精一杯な状況だって珍しくないほどです。

それもそのはず! 日本全体を見てみると、国土の4分の3は丘陵地なんです。本州の真ん中あたりには、標高3000メートル前後の山々がそびえていて、日本の屋根、日本アルプスと呼ばれています。山脈列島と呼ばれるように、とにかく平地よりも山地が多いのが日本の特徴なんです。

こうなってくると当然、日本のコースでは打ち下ろしのホールや、打ち上げのホールを攻略していく必要があるので準備が必要になってくるというわけなんです。

今回はティーイングエリアとフェアウェイの高低差でわかる「ヒッカケ(左)」と「プッシュ(右)」のミスの傾向と原因についてのレッスンです!

画像: 高低差によって右へのプッシュ、左へのヒッカケが起こりやすい

高低差によって右へのプッシュ、左へのヒッカケが起こりやすい

打ち下ろしのホールは「ヒッカケ」に御用心!

打ち下ろしのホールの場合、目線が低いフェアウェイに注がれるため、アドレスで上体が左に傾いて体重が左足に乗りやすくなってしまい、右肩が左肩より前に出る構えになりやすくなってしまうので注意しましょう。

このアドレスのままスウィングしてしまうと、インパクトで左重心になりすぎて、アウトサイドインの軌道となり、クラブの入射角がダウンブローに入りすぎ(上から入りすぎ)てフェースもかぶって当たってしまうので、ヒッカケ、左へ曲がるミスが起こってしまいますよ!

画像: 打ち下ろしでは目線が下がりがち。すると左重心でインパクトしてしまいアウトサイドインの軌道が強くなり、ヒッカケてしまう

打ち下ろしでは目線が下がりがち。すると左重心でインパクトしてしまいアウトサイドインの軌道が強くなり、ヒッカケてしまう

打ち上げのホールは「プッシュ」に御用心!

打ち上げのホールの場合は、反対に目線を上げることでアドレスで体重が右足に乗りすぎた構えとなりやすくなってしまうので注意が必要です。

体重が右足に乗りすぎたままスウィングしてしまうと、インサイドアウトの軌道でアッパーブローにとらえやすくなるので、フェースは開いて当たってしまい、右に押し出してしまうミスが起こりやすくなります。

画像: 打ち上げでは目線が上がり、インパクトで右重心になりやすい。するとインサイドアウトのアッパーブロー軌道となってしまい、プッシュしやすい

打ち上げでは目線が上がり、インパクトで右重心になりやすい。するとインサイドアウトのアッパーブロー軌道となってしまい、プッシュしやすい

こういったロケーションから起こるミスの傾向は高低差の見えるような2階建ての練習場でも起こりやすくなるので注意が必要です。

例えば、プッシュのミスが多い傾向にある方は、普段1階で目線が高くなるようなロケーションで練習を続けているため、アドレスで目線が高くなりやすい状態になっている可能性があります。そんな時は、2階から練習することで自然と目線が下がりアドレスを矯正することができるんです。何気ないことですが、目線ひとつでこんなにスウィングバランスに影響が起こってしまうんです。

大切なのは、平らなホールと同じアドレスの姿勢をつくり、自分の球筋の最高到達地点をしっかりイメージして正しいバランスで真っすぐアドレスすること。練習場がインドアや、フラットな方は、バランスのよいアドレスを心がけましょう。

こうすることで、どんなコースの高低差のロケーションにも左右されずにいつもと同じスウィングができるようになります。アドレスでの目線を大切にしましょう!

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