いよいよ木曜日から開幕する全英オープン。全英といえば、めまぐるしく変わる天気がつきものだが、月刊ゴルフダイジェストの連載でお馴染み気象予報士の森田正光氏に、セントアンドリュースの大会期間中の天気予報を聞いてみた。はてさて、4日間天気はもつのかな?

予選ラウンドは晴天。週末は下り坂…

天気予報の前に、まずはセントアンドリュースという土地の気候の特徴をおさえておきたい。気象予報士の森田正光氏に、グレートブリテン島の北東部の気候を訪ねてみた。

画像: セントアンドリュースの14日正午の天気図を前に解説する森田正光氏。14日はイギリス全体が高気圧に覆われる予報だ

セントアンドリュースの14日正午の天気図を前に解説する森田正光氏。14日はイギリス全体が高気圧に覆われる予報だ

「セントアンドリュースは、典型的な大陸西岸気候です。南風が入りやすくて、56度(サハリンと同じぐらい)という高い緯度の割にはそこまで気温が下がらないんですね。夏は14~19度、冬も月の平均気温は2~6度と、日本の北海道西部と同じぐらいの気温です。北海に面したあの辺りは海が近いこともあり、普段から風速は強めで平均7~8メートルの風が吹きます。ハリケーンから変わった低気圧がイングランドの東側に来ることがありますが、その時は風がさらに強まり、東風が吹きます。ただし、今回の大会期間中には、ハリケーンの名残のような大きな低気圧が来ることはなさそうですね」(森田氏)

セントアンドリュースのオールドコースは、風が読みづらいことで有名だが、そこには「地形の特徴が大きい」と森田氏は指摘する。

「前回も言いましたが、コースのある土地を見ると、東側の北海と西側の大きなエデン川に挟まれていて、海に突き出た半島ような位置にあります。夏場は高気圧が強いので南風が吹きやすいですが、そこにさらに海からの風と川からの風が吹くこともあり、その3方向からの風がゴルフ場でぶつかりやすいんです。学校の校舎で風がぶつかってつむじ風のようになっているのを見たことある人は多いと思いますが、あの現象がゴルフ場で起きているのをイメージしてもらえればわかりやすいでしょう。色々な方向から吹くので、風向が読みづらいのと、さらにどこでぶつかるのかが分からずにそれで難しさが増しているんでしょうね」

なるほど。では、明日からの全英オープンは4日間、どんな天気になるのか?

画像: セントアンドリュースを中心としたヨーロッパ西部の14日の天気図がこちら。高気圧に覆われ、晴天が見込まれる。西側に寒冷前線があり、これが15日にグレートブリテン島を通過する

セントアンドリュースを中心としたヨーロッパ西部の14日の天気図がこちら。高気圧に覆われ、晴天が見込まれる。西側に寒冷前線があり、これが15日にグレートブリテン島を通過する

「天気図を見ましたが、14日(初日)は高気圧が南西方向からやってきて、セントアンドリュースはその高気圧の圏内に覆われます。14、15日は晴天になるでしょう。気温も18~21度ほどで、気持ちがいい気候ではないでしょうか。高気圧全面のときは北風になりやすく、風速は7~8メートルと平均的です」

「2日目の15日は、西から弱い寒冷前線が通過するので、にわか雨がふるかもしれません。注意したいのは高気圧が抜けた16、17日(土曜日、日曜日)あたり。高気圧が抜けて気圧の谷がやってきます。この影響で週末は天気は下り坂。南西風がやや強く、風速が10メートルを超すこともあるでしょう。ただし、それでもセントアンドリュースは曇り空で、そこまで雨が降ることもないと思います」

画像: my-golfdigest.jp
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