(質問)
クラブの評価や球筋を表現する際に、ボールが「つかまる」という表現がされていますが、「つかまる」ということがどういう状態なのか、よくわかりません。左に飛ぶのとは違うのでしょうか。(静岡県 35歳 平均スコア100)
担当記者(※以下GD):我々メディアも自然に「つかまる」と表現していますが、左にいくのとはたしかに違いますよね。
増田:たしかに言葉で説明するには難しいですね。多くのゴルファーがヘッドスピードが速くなれば飛ぶと思っています。スポーツ選手のように体力がある人は、初心者であってもものすごいヘッドスピードでクラブを振ることができます。でも超人的に速く振ったからといって飛距離が出るかというと、そうとは限りません。
初心者に多いのはやはりスライスですよね。スライスはこすり球と言われたりしますから、つまりはつかまっていない状態なんです。いくら強振しても、ボールがつかまらない打ち方をしているうちは飛ばないし、右に左にとOBになりやすくなります。
GD:「つかまる」とはどういう状態のことをいうんでしょう?
増田:ゴルフクラブには、重心距離というものがあります。ヘッドの重心からシャフトの軸線までの長さのことです。この重心距離があることがゴルフの難しさでもあり、それをコントロールすることで、どんなスポーツよりもボールを飛ばすことができるんです。重心距離をいかに上手く操るかが、ゴルフの上手い下手と決めているといっても過言ではありません。
ボールがつかまっていない状態というのは、インパクト時にシャフトの軸線に対して、ヘッドが遅れているということです。例えば、ボールを強くひっぱたこうとする人は、ますますヘッドは遅れる傾向になるので、フェースが開いて当たってしまい、ボールがつかまらずにスライスします。
フェースがローテーションして、ヘッドがシャフト軸線に追いついて、追い越すような動きの中でインパクトが迎えられると、ボールはつかまるようになります。
GD:それはなんだか難しそうですね
増田:でもそれがあるから、ボールをしっかりととらえて大きく飛ばす、ゴルフの爽快感につながるんです。ほとんどのゴルファーは、最初はスライスするでしょう? それは重心距離を操る感覚がないためです。ボールをつかまえるということは、ゴルフが上手くなるために超えなくてはいけないハードルなんです。
こすり球を打っている人が、ボールをつかまえられるようになったら、ドライバーの飛距離が20〜30ヤード伸びますよ。