第150回全英オープンが開幕。日本のエース、松山英樹は初日、どんな戦いを見せたのか? 試合後のコメントも踏まえて、松山のプレーをレポート。

アイアン型UTが
勝負のカギを握るか

松山英樹にとって、全英オープンは実に3年ぶり。昨年はコロナ陽性によって出場を辞退、一昨年はコロナ禍でそもそも試合が中止だった。

過去の全英でのベストフィニッシュは、全英に初めて出た2013年の6位タイ(ミュアフィールド)。それ以降、ベスト10に入ったことはなく、さらに2016年、2018年、2019年は予選落ちと、なかなか成績を挙げることができていない。ちなみに前回、セントアンドリュースで行われた2015年の全英オープンでは、2日目に66を出したものの、最終的には18位タイだった。メジャーチャンピオンの松山ではあるが、全英というメジャー大会では余りいい思い出はないのだ。

画像: 厳しい表情で球の行方を見つめる松山

厳しい表情で球の行方を見つめる松山

松山の初日は、4バーディ3ボギーの69で35位タイ。まずまずの滑り出しだが、松山は「よくもなく悪くもなく」と試合後の会見で自らのプレーをそう評したが、プレーを見ている限り、この日はティーショットが安定していて、アイアンショットもピンに絡んでいた。

ショットは良かったが、球が落ちてから先の転がりにアンラッキーが多く、展開次第ではもっとスコアを伸ばせていたようにも見えた。名物のロードホール、17番の2打目はグリーンをオーバーしたが、地面の硬いライから完璧なショットのように見えた。その後のグリーンわきの道路から打った3打目のアプローチも手前にワンクッションさせて寄せるイメージした通りの素晴らしいアプローチだった。

パーパットは惜しくも外れたが、「ベストを尽くしてのボギー」だから、そこは納得していたことだろう。

グリーン上も同じような状況で、「バーディチャンスにつけるも、なかなか入らない」というシーンが多く、ラインの読み違えなのか、ひとすじ違っていれば入ったのでは、というパットが多くあった。ホールアウト後のコメントでもそのパットがかみ合ってなかったことに触れている。

「悪いパットで外しているホールはなかったので、明日から、もう少しラインが読めればなと思います。4日間の初日としてはまずまずのスタートじゃないですかね。ショットもパットもよくなってきているので、もう少しはまるものがあれば」(松山)

この日トップのキャメロン・ヤングが8アンダーとひとつ抜けているが、2位の6アンダーとは5打差。苦手傾向の全英オープンとしては上々の立ち上がりではないか。

実際、日本人選手7人のうちの最上位というのは、さすが(桂川有人も同スコア)。2日目は、現地時間15時21分(日本時間23時21分)スタート予定と遅め。松山は「日没までに終わりたいですね」という言葉を残して練習場に去っていった。

画像: フェアウェイからアイアンショットを打つ松山。地面が硬く、落ちてからの転がりが計算しづらい

フェアウェイからアイアンショットを打つ松山。地面が硬く、落ちてからの転がりが計算しづらい

全英対策に入れた、ロフト18度のアイアン型UTが活躍

ちなみに松山は、全英用にひとつだけクラブを替えてきた(実際には先週のスコットランドオープンから)。愛用するコブラの5番ウッドを抜いて、ウィルソンのアイアン型UT(ロフト18度)を投入。まさに“全英用”にと、1カ月前から準備をしてきたクラブだった。

18番ホールで1オンさせて、あわやイーグルというシーンを演出したのも、そのウィルソンで放ったティーショットだった。初日は18番以外でも何回か使用。マキロイも、この週のために新しステルスUDIを投入したが、多くの選手がアイアン型のUTやロングアイアンをティーショット用に投入している。

松山にとっても、このアイアン型UTのショットと、グリーン上のパッティングが、残り3日間のカギを握りそうだ。

Photo/姉﨑正

画像: my-golfdigest.jp
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