毎日たくさんのギャラリーがセントアンドリュースのオールドコースに詰めかけているが、そもそもチケットはいくらぐらいなのか。「もし来年、全英オープン観戦のチャンスが訪れたらっ!」なんて方のために、幸運にも150周年の大会を観戦しにきた人へ聞き込み調査しました。
1年前の時点で本戦は完売。さすが記念大会!
今回取材に応じてくれたのは、中島啓太選手のファンという50代のAさん。UAE在住というこの方は昨年11月、ドバイでおこなわれたアジアパシフィックアマで中島選手が優勝し、全英の出場権を獲得したタイミングで全英オープンのチケットを購入を試みたそうです。
しかし残念ながら、その時点で本戦の通常チケットは完売しており、高額なホスピタリティチケットしか残っていませんでした。それも購入を迷っている間に完売してしまったとか。ホスピタリティチケットとは日本では馴染みが薄いかもしれないですが、試合観戦と共に飲食できる場所が用意されたり、グランドスタンドの席が確保されていたりするもの。「ZOZOチャンピオンシップ」でVIPラウンジ付きの通し券が60万円で売られて話題になりましたが、その類のチケットと思ってもらえればわかりやすいでしょう。
ちなみにホスピタリティチケットの値段はというと、最高額のもので1750ポンド(約29万円)。このチケットだと、オールドコースホテルの4階で朝・昼食・アフタヌーンティが用意されるほか、さまざまなドリンクが用意され、18番グリーンのグランドスタンドに席が確保されているというもの。いっぽうでホスピタリティチケットのいちばん安いものは、お値段250ポンド(約4万円)。ギャラリービレッジへ入場できるのみのチケットだが、恐ろしいことに、昨年末の時点でほぼソールドアウトでした。
「練習ラウンドだけでも観戦したい!」
チケットが残っておらず、もはやこれまでと思われたAさんでしたが、登録サイトから「練習ラウンドのチケットはまだある」という案内が来て、試合前の火曜日と水曜日の練習ラウンドの観戦チケットを申し込むことに。「月曜分も購入できたんですが、月曜日はプロも少ないかなと思って。値段は火曜日が45ポンド(約7400円)で水曜日が50ポンドでした」とAさん。ちなみに本戦のチケットは現地に行けばダフ屋から買える可能性も考えていたというが、ダフ屋が一人もいなかったとか。
ちなみに通常のチケットは、150周年記念大会ということで多くのチケット申し込みが予想されたため、 “パブリックバロット”という抽選方式での販売方法がとられたようです。この販売方法は、テニスのウィンブルドンでは定番となっている方式で、「世界中の観戦希望者になるべく平等にチケットが行き渡るように」という配慮から行われたもの。その本戦チケットの正規価格は曜日によって異なりますが、いちばん安い木曜日で約1万3000円、日曜日でも約1万5000円程度と比較的安価。問題は抽選の運次第ですが……。
いよいよ一年に一度の祭典も今日が最終日。幸運をつかんで現地観戦ができたギャラリーの皆さま、本当にうらやましい限りです……。
Photo/姉﨑正