ゴルフの上達を目指すゴルファーにとって役立つ情報を発信する「みんゴル・ゴルファー応援隊」。隊長に就任したシングルプレーヤー・マツケンが上達のヒントになることをひとつずつ紹介する!今回も前回に引き続きバンカーショットがテーマ。

本日までおこなわれていた全英オープンの舞台であるスコットランドの聖地「セントアンドリュース」。このコースには112ものバンカーがある上、多くのバンカーに名前が付けられているくらい、幾多の名勝負においてターニングポイントの役割を果たしてきました。また2000年にタイガーウッズが優勝した時には徹底的にバンカーを避け、4日間一度もバンカーに入れなかった、ということも伝説として語り継がれています。

もともとバンカーはリンクスの凹地に出来た砂溜り。ゴルフ黎明期のリンクスコースでは強風によって一夜のうちに多くのバンカーが現れては消えていったりしていたのだそうです。いわば人智の及ばない造形物でした。そして今ではゲームに欠かすことが出来ない存在にまでなっています。

ご存じのようにバンカーでのプレーには特別なルールが存在します。

大まかに言うと「砂のテストをしてはならない」ということです。テストする目的で、手やクラブで砂に触れるのはもちろん、足元を固定するために必要以上にスパイクを砂に潜り込ませることも違反になります。そしてアドレス時にはソールすることもできません。

画像: バンカーショットする前にライの見極めしている? 打ち方よりも大事なこととは……

バンカーショットする前にライの見極めしている? 打ち方よりも大事なこととは……

これはゴルフというゲームにおいてバンカーという「不確定」な要素に対し、プレーヤーに挑戦させるという意図をもって作られたルールです。砂質は事前にテストできず、見た目や歩いた時に足底で感じる感触など、ごく限られた情報を頼りにショットに臨まなければなりません。

そう、砂と言っても千差万別。固く締まった砂やパウダーのような細かく柔らかい砂。同じ砂でも乾燥している時と雨で湿った時では必要とされるショットは大きく異なります。また、よく見極める必要があるのが、傾斜です。とくに左足下がりのライではかなり難易度が上がります。もちろん、ボールからアゴまでの距離とその高さ、も重要なポイントです。

バンカーが苦手、という方はこの「ライの見極め」に無頓着な方が多いように思います。「バンカーなんて贅沢は言わない、とにかく脱出すれば上出来」というのは一見、謙虚な心構えのようですが、闇雲にクラブを振り回すだけでは、砂地獄の洗礼を免れるのは難しいでしょう。

「アゴは低いけど、左足が下がってるからボールが上がりにくいぞ」「アゴは高いけど、砂はタップリ入っているな」などと自分なりに状況判断をしてみて下さい。そして、「固そうな砂だから砂は薄く取ろう」とか「雨で締まっているからグリップはしっかり握っておこう」とか、できる限りの観察と工夫をしてみましょう。

バンカーからピッタリ寄せてワンパット。そこまで上手くいかなくても、少しでも少ない打数で上がるために、どんなことが必要なのか、整理していきましょう。まずは先ほどもお話した「ライの見極め」です。

【1】砂の状態を調べる。

砂質の固さを調べるには足底で感じるのがいちばんですが、砂の細かさ、湿っているかどうか、も合わせて観察してみて下さい。また、とくに注意を払って頂きたいのが、ボールの直後の砂の状態です。ここが平らになっていればソールをキレイに入れていくことが出来ますが、凹凸があったりすれば途端に難易度が上がります。

【2】アゴの高さと傾斜を調べる。

バンカーから脱出させるために必要なボールの高さが出せるかどうか。それはアゴの高さとアゴまでの距離、そしてボールのある位置の傾斜に大きく影響されます。左足が高いライなら少々アゴの高いバンカーでもクリアしやすく、左足が低いライだとボールが上がりにくくなります。一般的にグリーン奥のバンカーは左足下がりになる場合が多いため、難易度が高くなります。

【3】グリーンエッジからピンまでの距離とグリーン面の傾斜を調べる。

バンカーショットは打ち方やボールの当たり方によって、ランとキャリーのバランスが大きく変わり易いショットです。すなわち距離感が出しにくいということです。

例えばピンが奥にあって上り傾斜なのに、砂を取り過ぎれば大ショートしますし、下り傾斜が強ければ、なかなかボールを止めることは出来ません。より緻密に落としどころを決めていくことが成功率を上げることに繋がります。

いかがでしょう?

当たり前のように感じるかも知れませんが、ショットの前にこうした点を見極めておいたうえで、打つべきショット、ボールの落としどころを決めていく。こうした作業によって少しずつジワジワと、バンカーからの打数が減っていくことでしょう。

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