全英オープンを制したキャメロン・スミスが試合で見せたように、時にはウェッジではなくパターでアプローチすることがベストな選択な場合もある。ではパターでアプローチができる・できないの状況判断はどうおこなえばいい? プロゴルファー・大谷奈千代に詳しく教えてもらおう。

150周年となった全英オープン、勝者はキャメロン・スミスでしたね。優勝スコアのトータル20アンダーは、2000年にタイガー・ウッズが記録した19アンダーを1打上回る素晴らしいスコアでオールドコースでの大会最小スコア記録を更新する快挙を成し遂げました。

そんな優勝争いの中で記憶に大きく残ったのが17番のパー4でのマネジメントです。セカンドショットをショートしたキャメロン・スミスはピンに向かってグリーン手前から有名なトミーズバンカー越えの状況で「ウェッジ」ではなく「パター」を選択し、バンカーの右にボールを転がしてグリーンに乗せてパーセーブ!! さらに18番でもグリーンサイドから25ヤードのアプローチでも、パターを選んで60センチにつけてバーディーを決めましたよね!

画像: 全英オープンでキャメロン・スミスが見せた、パターでの転がすアプローチはどんな状況で使える?

全英オープンでキャメロン・スミスが見せた、パターでの転がすアプローチはどんな状況で使える?

転がすアプローチにも、パターは有効なんです。今回はそんなパターでの状況判断についてのレッスンです! グリーン周りから転がせると判断したら、キャメロン・スミス のようにいちばんやさしいパターを選択してみましょう!

例えば、ボールが、グリーン周りのカラーの上でしたらパターを選択です! もちろんカラーから離れていても転がせると思ったらパターを選択しましょう。カラーからほんの少ししか離れていない状況でも夏のラフは元気に伸びているので、パターで転がすと芝の抵抗を受けるため、大ショートしがちなので注意が必要です。冬場ですと地面も硬くなりますし、芝も枯れているのでパターで転がせるエリアがかなり広がります。オールドコースはこのイメージがありますよね!

またボールをカップに寄せていくためには、多くの項目の状況判断をする必要があります。そのためには観察が大切! 歩いてグリーンに近づいていく時に地面の硬さや状態をしっかり観察しておくようにしましょう。何か違ったことを考えているとプレーの順番がまわって来た時、準備不足になってしまい慌ててストロークする羽目になってしまいますよ!

ボールに近づいていく時から、注意を払う習慣が大切です。注意するポイントは全体の地形です。上りのラインは重力に逆らってボールを転がすため、ボールをしっかり転がす必要があります。そのためにはストロークの幅を大きくしてタッチを合わせましょう。下はその反対です。傾斜の角度によってボールの転がる強弱を判断するようにしてストロークの幅を考慮していきましょう!

画像: 上りのラインはストロークの幅を大きくしてしっかり転がるように、逆に下りなら振り幅を小さくして調整しよう

上りのラインはストロークの幅を大きくしてしっかり転がるように、逆に下りなら振り幅を小さくして調整しよう

芝目の伸び具合、方向、また湿度の影響も判断材料になります。特に芝目は重要です。順目は光って見えるため、通常より転がりが良くなります。

画像: 芝の伸び具合、順目か逆目か、そもそも芝の種類はなにか。判断するための要素は多い

芝の伸び具合、順目か逆目か、そもそも芝の種類はなにか。判断するための要素は多い

また、芝の種類も影響してきます。高麗芝は芝が硬く、ベント芝は柔らかいのが特徴です。多くの場合、グリーン上はベント芝で、グリーン周りは高麗芝です。硬い葉で逆目なら大きく影響を受けるので注意が必要ですよ!

適切なパットにはスピードの調整が大切です。上記の判断材料をもとにストローク幅を調整するようにしてみましょう!

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