今年のAIG女子オープンの会場となったミュアフィールド! トーナメントの映像からはコースの美しさはもちろん、クラブハウスの中から歴史的要素を感じずにはいられませんでしたね。
そんなミュアフィールドは世界でも敷居の高いクラブといわれています。敷居が高いといえば、日本でもジャケット着用やドレスコートが厳しいゴルフクラブがありますよね。こういった、厳格なしきたりはミュアフールドのクラブメンバーの成り立ちにあるんです。
イギリスのゴルフ史家の間ではゴルフは「ソサエティのゲーム」と呼ばれているそうです。ソサエティとは人間の集団のことをいい、会や協会、団体といった意味合いがあります。こういった集団のことをカンパニーやクラブといったりもします。
つまり「ゴルフクラブ」とは、ゴルフを愛する同好の士の集まりのことで、ゴルフコースはゴルフをプレーする場所のことを表しているんです。ゴルフクラブとは定期的に集まってゴルフのプレーとプレー後の食事を共にすることを目的に集まったグループから始まっているんですね。
初期のゴルフクラブの設立当初はゴルフよりも会食のほうが重要で、ゴルフは夕食前の腹を空かせるための運動であり賭けを楽しむものだったのでプレー後の正装はマストだったんです。ジャケットを着用するのはメインの会食のためだったんですね!
そんな世界最古のゴルフクラブは、1744年にフリーメイソンによって設立されたジ・オナラブル・カンパニー・オブ・エディンバラ・ゴルファーズ(改名前はジェントルメン・ゴルファーズ・オブ・リース)として現在に至っています。
そしてオナラブル・カンパニーのホームコースが1891年開場のミュアフィールドなんです。ゴルフコースよりもクラブの歴史のほうが長いんですね!
ところで、フリーメイソンというと秘密結社!? というイメージがありますが、本来メイソンとは石工組合員(オペラティブ・メイソン)のことをいいます。石で教会や神殿を建設するなど先端技術があったため、スチュアート王家は彼らを丁寧に保護してきたそうです。
そんな彼らには仕事上の技術的な秘密を守るために彼らだけの特別な専門用語があるなど、グループの結束は非常に強く、また閉鎖的で秘密結社の性格が強かったそうです。
17世紀ころになると、石工(メイソン)以外で社会的地位に地位のある重要人物が厳しい入会審査をクリアして組織の会員となりました。この石工以外の会員が思索的メイソンなのです。時代と共にフリーメイソンの組織は大きくなり、18世紀には逆に彼らが中心人物となっていったそうです。しかし、組織の閉鎖的で排他的な性格は変わることがありませんでした。そのため入会等々は厳しいまま現在に至っているのです。
いかがでしたか? 不思議なジャケット着用の秘密にはこういった歴史があるのです。日本の名門コースにもある伝統や格式を誇っているゴルフクラブの持つ特殊な性格の秘密はすべてこのフリーメイソンの名残りなのです。