(質問)
50歳を過ぎて、アプローチのミスに悩んでいます。もともと不得手な方ではなかったのですが、チャックリやトップ、シャンクなどが多発するようになりました。イップスではないかと感じています。(静岡県 55歳 平均スコア82)
担当記者(※以下GD):イップスと言えば、パッティングの場合が多いですが、アプローチも少なくないですね。
増田:パッティングとアプローチのイップスは、似て非なるものという感じがしますが、なんというか最終の結果が近いということは言えると思います。どういうことかというと、結果がすぐ出て、その成否がスコアに直結します。打つ前から、結果がちらつく、それもスコアの良し悪しを左右するという点が似ていますね。
上手い人にイップスが多いというのは、そういうところもあるだろうと思います。アプローチならそこから2打でいかなくてならないし、ショートパットは確実に決めなくてはいけない。ミスが許されないプレッシャーが強くなるんです。
GD:そうすると、あんまり上手くない人はイップスにはなりにくいですかね。
増田:ならないわけではないけど、可能性は少ないでしょう。アプローチは小さな動作でリーディングエッジをボールの赤道の下に入れていかないといけない。それで距離をコントロールするわけです。そんな繊細な動きを寄せワンが当たり前の状況でおこなうわけですから、緊張感がかなり違います。
ゴルフが上手くなればなるほど、傷を抱えている人も多いものなんです。プロなどはほとんどの人が何らかの問題を抱えていて、それをごまかしたり、克服したりしながらプレーしています。
GD:イップスになりやすいクラブとか、逆に克服できるクラブはありますか?
増田:なりやすいクラブはないんじゃないかな。難しいクラブのほうが起こりやすそうですが、結果に対しての不安はどんなクラブでも芽生えるものです。
だからイップスを克服するクラブがあるとすれば、このクラブなら大丈夫と安心感が芽生えるものを選びたいですね。そうなると、やはりバウンスがしっかりついていて、地面に刺さらずにヘッドが前に向かいやすいウェッジを使うのが良いと思います。
バウンスがあると、それが地面に当たって、ヘッドが前に進む力になります。ソールが滑って、ミスがミスになりにくいんです。そこそこの結果になる確率を高めてくれます。
すべてを完璧にプレーしようと思っても不可能なんです。それはかえって自分を追い詰めます。ある程度寄ってくれて、上りのラインにつけられたら上出来と思うのがいいんじゃないかな。ゴルフは、ほどほどの結果を積み重ねて、ゲームを組み立てていくほうが有利なスポーツなんです。そんなふうに考えられると、多少、イップスは予防できると思いますよ。