「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回はPWの選び方について教えてもらった。
画像: 単品ウェッジのロフトバリエーションが増え、米ツアーではPWの代わりに46度のウェッジを入れるプロが増えた。セットもののPWとどちらがいいのだろう

単品ウェッジのロフトバリエーションが増え、米ツアーではPWの代わりに46度のウェッジを入れるプロが増えた。セットもののPWとどちらがいいのだろう

みんゴル取材班(以下、み):PGAツアーではアイアンセットのPWの替わりに46度のウェッジを入れている選手が多いですね。さらにその上を行くのが石川遼で今季9番アイアンを抜いて43度のウェッジを投入しました。玄人っぽくてかっこいいし、アマチュアも真似していいものですか?

宮城:43度のウェッジは市販されていないので9番はそのまま使うしかないと思いますが、PWも基本的にはアイアンセットのままで使うことをおすすめします。46度というと昔の9番アイアンに近いロフト角です。要するに9番をマッスルバックに替えるのと同じだと考えて下さい。もともとマッスルバックアイアンを使っている人なら難なく打てると思いますが、キャビティアイアンでほぼフルショットしかしない人にとってはただ難しくなってしまうだけです。

み:なるほど。46度のウェッジを使いこなすにはある程度の技術が必要というわけですね。

宮城:もうひとつ気をつけないといけないのはアイアンとウェッジの飛距離差です。同じ46度でもアイアンのPWの方が飛びます。ウェッジはアイアンよりも重心が高いのでスピンが増えて上に飛ぶからです。最近流行りの中空やポケットキャビティだと15から20ヤードくらい差が開いてしまいます。どうしてもということであっても、9番とのロフト差は4度ではなく、3度とか2度にしないと飛距離の管理ができません。ちなみにPGAツアープロが46度のウェッジを使うのはラフからのスピンコントロールのためです。ベント芝の深いラフから打つなら効果はありますが、それ以外はほとんど意味がありません。

み:48度ならどうでしょう。アイアンのロフトが立っているのでそこは必要になってきていると思います。

宮城:昔のPWのロフト角が48度か49度なので、48度以上ならありですね。

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