(質問)
還暦を過ぎて、体力の衰えを強く感じています。そこで、これまでやっていなかったトレーニングをおこなおうと思っています。シニアゴルファーが重点的に鍛えたほうがいいという部位はありますか(群馬県 61歳 平均スコア90)
担当記者(※以下GD):ゴルフ歴何十年というベテランゴルファーは少なくないですが、体力の衰えはどうしてもついて回りますね。
増田:トレーニングすることは大切だと思いますよ。積極的におこなうといいと思います。しかし、それ以上に注意していただきたいのはカラダを傷めないことですね。この質問者の方はこれまでトレーニングをおこなってこなかったということなので、とくに痛めやすいのではないかと思います。加齢とともに柔軟性も落ちていると思うので、まずはケガをしないこと、これが大事です。
実際、筋力は落ちるかもしれませんが、ゴルフでは単純な力というよりも、カラダ全体をバランスよく使って、しなやかに動かさないといけない。むしろいかに力まずに打てるかが大事になります。そのためにも柔軟性をあげるような運動を少しでも取り入れるとよいでしょう。
GD:とくに男性はカラダが硬くなっている人が多いでしょうね。
増田:ただ、鍛えるのも大事ですが、シニアゴルファーはそれ以上にその経験値を生かしてほしいなと思います。ゴルフは経験が物を言うスポーツです。例えば、ゴルフ経験の浅い若いプレーヤーが遭遇したこともないようなライでも、長いゴルフ歴の中で何度もプレーした経験があるのではないでしょうか。こんなときは、こうすればいいという経験値の差がベテランの武器になるんです。
体力も柔軟性も落ちるでしょうが、頭まで硬くなってはよくないですね。ベテランゴルファーは、経験の蓄積でゴルフ脳が発達しているはずですから、むしろそこを生かさないといけないんです。若いときよりも頭は良くて、よりスマートにプレーしたいものです。
GD:カラダだけでなく、頭のしなやかさも必要ということですね
増田:力まずにしなやかにスウィングするというのも、経験を踏まえてより確率の高い方法を選択した結果でしょう。さまざまなライでのアプローチの対応や複雑なグリーンの傾斜でパッティングの距離感を合わせたり。すべてのプレーにおいて、これまでの経験は生きるはずです。
さらに言えば、手際のよいプレー進行だったり、グリーン上での振る舞いだったり、経験を積んだことで、よりスピーディで実践的にプレーできるということもあるだろうと思います。体力維持ももちろん重要なのですが、同時にシニアプレーヤーらしい強みを生かすことも考えたいですね。