元サッカー日本代表選手であり、ドイツ・ブンデスリーガの1.FCケルンやヴェルダー・ブレーメンに所属し活躍した奥寺康彦。日本サッカー殿堂入りも果たしているまさにレジェンドと言える奥寺は、大のゴルフ好きとしての顔も持つ。そんな奥寺にインタビュー! こだわりのギアや気になるゴルフのあれこれを聞いてみた。

ベストはパープレー

ーーゴルフを始めたのはいつからですか。

奥寺:初めてクラブを握ったのは27歳の時で、ケルン時代にドイツのデュッセルドルで、日本人の方の家に招待された時だね。その家のリビングの前の畑の先にライン川が流れていて。それで突然、「奥寺さん、ライン川に向かって打ってみる?」って言われてクラブを渡されて。それで打ったのが初めて。

画像: インタビューに答える奥寺康彦氏

インタビューに答える奥寺康彦氏

ーーそれまでゴルフクラブを振ったことは。

奥寺:一切なかったね。でもあの頃はまだ体幹もしっかりしていたから球にはちゃんと当たったんだけど、どスライスでしたね。クラブはドライバーでしたけどまだパーシモンでしたよ。スライスはしたけど意外と芯を食ったんだよ。結構まだ覚えてるね。

その後、ブレーメンに移籍した頃に、突然ゴルフ熱が上がり始めたという奥寺さん。当時のドイツの驚くべきゴルフ事情を披露してくれた。

ーーそれをきっかけにゴルフにハマったんですか?

奥寺:ええ。でもケルン時代は2~3回くらいしかしなかったんだけど、3年後にブレーメンに移籍した頃に、突然ゴルフがしたいなと思ってね。それで現地のゴルフ場に行ったら、小さなクラブハウスの中に、『ココにお金を入れてください。あとは自由に回ってください』ってメッセージが書いてあるだけで誰もいないのよ。

当時のドイツではゴルフはスポーツという扱い方をされていなかったんだよね。僕がブレーメンにいた1985年にベルンハルト・ランガーがマスターズで優勝したんだけど、ドイツ国内では誰も関心がないという感じだったなあ。そんな時代だったんだよね。

ーードイツはサッカー熱も高くスポーツが盛んなイメージなのですが、ゴルフはメジャースポーツではなかったんでしょうか?

奥寺:うん。スポーツは盛んなのよ。でもゴルフをやっている人は全然いなかったの。だから当時、ドイツのゴルフ場に行くと、ラウンドしているのは日本企業の現地駐在員の日本人ばかりで、ドイツ人はほとんどいなかったよ。最近は変わってきたけれどね。

――ドイツから帰国し、現役を引退した36歳以降に本格的にゴルフをやるようになったという。ベストスコアは「72」のパープレーという腕前だが、これまで決まったコーチについた経験もない独学でスウィングを磨いてきたという。

奥寺:36歳から本格的にゴルフをやるようになったけど、でも僕、これまで誰にも教わっていないんですよ。だから我流です。

ーー最初からですか。

奥寺:そう。ずっと独学で、プロのスウィングなんかを見てマネをして。今思うと、しっかり習っておけばよかったと思うけどね。

ーーでもそれでパープレーで回るくらいの腕前になるんですから、凄いです。

奥寺:いや、たまにいい時があるんだよね。ゾーンに入るじゃないけれど、外しても寄せワンでパーが取れるとかね。その時はそういうのが続いたんですよ。

ーー最近はゴルフのラウンドの頻度はどれくらいですか。

奥寺:誘われたら行くという感じなので、月3回くらいは行っているかもしれない。シーズンに入ると週に1回とかに増えるけどね。練習場は時間があれば週に2回くらいは行くようにしてるかな。

サンドウェッジが2本!? こだわりのクラブセッティングは?

ーー奥寺さんのクラブセッティングを見てみると、構成は1W、5W、4U、5U、6U、7I、8I、9I、PW、AW、AS、SW、SW、パターとなっています。サンドウェッジが2本あって、奥寺さんの“こだわり”が出ていますね。

画像: 奥寺のクラブセッティング。1Wはテーラーメイド「SIM2 MAX-D」、FWとUTは「M6」で統一し、ヤマハ「インプレスUD+2」の7番からSWを採用。さらにバンカー専用に「Even」のSWも入れている。パターはオデッセイ「TEN」。

奥寺のクラブセッティング。1Wはテーラーメイド「SIM2 MAX-D」、FWとUTは「M6」で統一し、ヤマハ「インプレスUD+2」の7番からSWを採用。さらにバンカー専用に「Even」のSWも入れている。パターはオデッセイ「TEN」。

奥寺:一本はバンカー専用で、これはもう10年くらい前から使っています。

ーーこのウェッジのフェースはちょっと角ばっているというか、もう一本の丸いフェースのサンドと比べると、独特の形をしていますね。

奥寺:トウ側のライン通りに構えると自然とフェースが開いた状態になる。これを使い出してからはバンカーが苦にならないですね。あまり距離は出ないんだけど、重宝しています。必ずバンカーから出るという安心感があるから、出せるんだね。

画像: お気に入りのSWはスコアラインのほかにタテにラインが入っていて、ラインに合わせて構えるとフェースが開いた状態になる

お気に入りのSWはスコアラインのほかにタテにラインが入っていて、ラインに合わせて構えるとフェースが開いた状態になる

ーーグリップもすごく太いですね。全番手このグリップですか?

奥寺:うん、全番手そうしています。これ握りやすいんですよ。以前はもう少し細いグリップを使っていたんですけど、手も大きいし握り方が弱くなっているのかもしれないけど、太い方が握りが強くなってしっくりくるんですよね。「ゴルフプライド」のジャンボっていうやつでお気に入りです。

ーーほかにも何かこだわりはありますか。

奥寺:アイアンの7番、8番、9番はすべて同じ長さにそろえてあります。このジャンボグリップを入れる時に、9番に合わせて短くしてって言って切ってもらったの。

ーーどうして短くしようと思ったんですか。

奥寺:9番アイアンの長さが振りやすいんですよ。長いとなんだか体が動いたり突っ込んだりしちゃうんですよね。

――番手ごとの長さを同じにそろえる「ワンレングス」にすることで、スウィングをシンプルにしているんですね。バンカー専用のSWという“特定の状況”に対応するためのクラブを入れているのもそうですが、かなり実戦的で、すぐにでもマネできる素晴らしいセッティングです。お見せいただきありがとうございました!

撮影協力:ファイブハンドレッドクラブ

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