ジャーナリスト、グラハム・ベンシンガー氏とのインタビューのテーマは多岐に渡ったが注目はLIVゴルフについての話題。ほかの多くのPGAツアープレーヤー同様、彼も一度はLIV移籍を噂されたが6月に「PGAツアーとDPワールドツアー(欧州)に完全にコミットする」と正式に声明を発表。その理由を彼はこう述べている。
「移籍した選手の多くは年齢的にも上で20年前後のキャリアを持ち怪我も経験しています。ディスっているわけでも彼らの決断を非難するつもりもありません。でもきっと彼らはもうツアーでフルスケジュール戦いたくないのだろうし、あと2、3年プレーしてじゅうぶん稼いだら辞めたいと思っているのだと思います」
「でも僕はこれまでお金のためにゴルフをしたことはありません。たとえ全米オープンの賞金が10万ドル(約1400万円)だったとしても全米オープンに出続けたいし、メジャーに勝つためにPGAツアーでプレーしているし自分の生涯をかけた目標はメジャー獲りです」
またテロへの関与が指摘され、人権問題を抱えるサウジアラビアの公的資金がLIVに投入されていることについて「道徳的、倫理的にトリッキーな問題があると考えています。それでも個人事業主である我々プロゴルファーの立場からすればPGAツアーとLIVの両方で自由にプレーする権利がないことには疑問を感じています」と持論を展開。
2つのツアーの平和的な共存を願いながら現時点では「PGAツアーの出場資格を失いたくありません。何よりまずメジャーに出場するためにはそれ(メンバーシップ)を死守しなくては」。
さらに興味深かったのがローリー・マキロイに対する思い。プレーヤーとしてだけでなくマキロイのツアーにおけるリーダーシップを称賛する彼は「もしローリーがアメリカ人だったら(実際は北アイルランド人)彼を大統領に推したい。彼は今まで出会った人の中でもっとも頭が良く、洗練された言葉を話し、内省的な人だからです」と熱弁を振るう。
「小さい頃から彼が活躍する姿を見てきて、今では同じ舞台でプレーしながら、いかに彼が優れたゴルフの守護者であるかを知りました。彼のような人物が近くにいることはとても幸せなことです」
「マキロイが大統領候補なら必ず一票投じる」というほどのシンパだったとは!? 聞いてみなければわからないものだ。