3年経った今でも松山英樹の胸にあの時の惜敗がひっかかっている。
勢いに乗った世界選抜チームは2019年のロイヤルメルボルンでの大会でタイガー・ウッズ率いる米国チーム相手に、2003年以来初めて、最終日のシングルスまでリードしていた。
最終日、キャプテンのアーニー・エルスは松山をトニー・フィナウ相手の2番目のシングルスマッチに送り込んだ。10ホールまでに松山は4アップとし、このマッチの勝利は確実なように思われた。
いっぽう、フィナウは次からの4ホールで3バーディとし見事な追い上げを見せた。結果、米国チームをタイに導いた。フィナウの勢いがきっかけとなり米国チームは形勢逆転し、最終的には16-14で勝利を収めるのだった。
「2019年は勝利に手が届きそうでした。あと少しだったのにと今でも悔しいです。でも、新しいチームになり、今年こそは違う展開になればと思いますし、カップを手にしたいと思います」と松山は想いを語る。
今週、フィナウとクエイルホロークラブで対戦することになれば、松山にとってリベンジを果たす起爆剤になるだろう。
今年ルーキーが8人もいる平均年齢史上最年少の世界選抜チーム。若手を引っ張っていくのはPGAツアーで8勝、現在世界ランク17位で30歳の松山だと、キャプテンのトレバー・イメルマンからは、頼られる存在になっているようだ。
ベテランのスター、アダム・スコットは世界選抜として10回目の出場になり、松山はスコットに続いて5回目の出場で2番目に経験をもつ選手になる。オーストラリア人のスコットのように、松山も喉から手が出るほど勝利が欲しいが、困難な挑戦になるのもわかっている。なぜなら米国チームは12選手が世界ランクトップ25に入っているからだ。
「プレジデンツカップで勝てたら最高です。アダムが僕たちの誰よりも経験があるので、彼が一番嬉しいと思います。ツアープロはチーム競技を経験する機会が多くありません。世界選抜チームのメンバーになれて光栄です。これで5回目の出場ですし、ベストを尽くして勝てるようにチームに貢献したいと思います」と松山は語った。
彼は2013年に初出場して以来、現在6勝7敗4分けの記録を持ち、ルーキーとペアを組むのではと予想される。2019年、彼は台湾出身のC.T.パンとフォーボールセッションでペアを組み、ウェブ・シンプソンとパトリック・リード相手に両方のマッチで勝利した。フォーサムマッチでは韓国のアン・ビョンフンとペアを組んだが、タイガー・ウッズとジャスティン・トーマスに1アップで負けた。
松山はエルスが作り上げたチームスピリットが、今回初めて世界選抜チームのキャプテンを務めるイメルマンにも引き継がれているのをわかっている。「これまでのキャプテンと比べると、アーニーはスピリットや想いがより感じ取れ、彼は僕たちのチームにプラスの影響を与えてくれたと思います。今回のトレバーも同じだと確信しています。彼の指揮の下プレーできることは、僕にとってもやりがいを感じます」と松山。
ニッポンの、世界のエースの活躍に期待は高まるばかりだ。