「もっこす」とは肥後もっこすのことで熊本県の男性の気質を表すときに使われる。正義感が強く、曲がったことが大嫌い。その言葉がぴったりなクラブデザイナー、マスダゴルフ主宰・増田雄二がゴルファーの悩みに今日も答えます!

(質問)
セッティングについて考えるのも、人のセッティングを見るのも大好きです。クラブセッティングにはその人の個性が表れると思っています。増田さんが考える最強のセッティングはどんなものですか?(奈良県 40歳 平均スコア86)

画像: 最強の14本、アイアンはマッスルバックを入れたい、と増田雄二は言う(写真/チョイスより)

最強の14本、アイアンはマッスルバックを入れたい、と増田雄二は言う(写真/チョイスより)

担当記者(※以下GD):「最強のセッティング」とは何か? という質問なんですが、要はセッティングをどう構成するべきなのか? という話ですね。増田さん流の回答をお願いします。

増田:もちろん答えのない話だし、いろんな考え方があると思うけど。私はクラブを作る側の人間ですから、クラブを使う人とは発想が違うんですよ。だから参考になるかどうかわからないですが。

私がセッティングを考えるなら、偏ったものではなく、原点と呼べるようなものにしたいと思っています。いろんな機能をもったクラブを組み合わせて、ゴルフを優位にする発想もあるのでしょう。ですが、私は正統派でニュートラルなクラブを作りたいと思っています。原点であり、基本になるようなクラブです。セッティングも正統派と呼べるものがいいですね。

ドライバーは何ccがいいとか、小ぶりである必要はないですが、球筋がイメージしやすい形状と操作性があるもの。アイアンならマッスルバックで、それをロングアイアンから入れたいですね。

GD:やはりマッスルバックが正統派ですか。

増田:ドライバーにも言えることですが、極端な機能をもたせて、いわばクセのあるクラブを作ると、当然スウィングもそれに合わせたものになります。ミスを補う性能になるかもしれませんが、技術を養うということで言えば不利になるでしょう。

マッスルバックのロングアイアンを入れて、それを使えなくなるまで振り続けるのが、私の考えるセッティングです。それがクラブデザイナーとして、基本の場所にいるということだからです。

GD:一般的なアマチュアにもそんな正統派のセッティングをおすすめしますか?

増田:フィッティングしてお客様にクラブをおすすめするときは、必ずしもそうじゃないかもしれませんね。やはり、その方の結果がよくなること、そして使っているうちにゴルフがよくなるようなセッティングをおすすめしたいと思っています。

ただ、本音を言えば。元気にゴルフがやれて、まだまだ飛ばせる体力もあるなら、マッスルバックのような正統派のクラブを使って、腕を磨いてほしいという思いもあります。決してやさしいわけではありませんが、ほかのクラブにはない扱いやすさがあります。ロングアイアンをセッティングして、技術を高めようと志す意欲的なゴルファーになっていただきたい気持ちはありますね。

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