こんにちはケンジロウです。
千葉県のアコーディア・習志野CCよりお届けしています。
すでにみなさんもご存じだと思いますが、今週のトーナメントは、日本開催の米ツアー競技「ZOZOチャンピオンシップ」です。
ザンダー・シャウフェレやコリン・モリカワ、ビクター・ホブランなど、世界のトップランカーが習志野に集結していますが、その中でも私が注目しているのは、ミト・ペレイラです。
昨年の東京オリンピックでもチリ代表としてホアキン・ニーマンと一緒に来日していた彼、その当時から我々は「ヤバいスウィングの選手がいる」と注目していましたが、今や1年前とは比べ物にならないぐらい認知度が上がりましたね。
下部ツアーから上がってきた初年度ながらコンスタントに成績を収め、全米プロで優勝争いを演じて、一躍トップ選手の仲間入りを果たしました。
先月行われたプレジデンツカップでは、松山英樹と一緒に世界選抜の一員として戦ったのは記憶に新しいでしょう。彼の魅力は何といってもその迫力のあるスウィング。
インパクト間際のいわゆる“シャロ―感”がすごくて、右サイドを側屈させながらヘッドを低く長~く使います。とにかくインパクトの圧がすごくて、練習場でその打撃音を聞いているとバチーンという破壊的な音をさせています。
なかなか、おじさんには真似するのが難しそうですが、いったい本人はどのような感覚で振っているのか?以下、ミト本人から話を聞けたので、その会話のやりとりをご紹介します。
ケンジロウ(以下ケン):あなたのスウィングは日本でもファンが多いのですが、スウィング中どんなことを意識して振っているんですか?
ミト:大事にしているのはしっかりと体を回転させること。切り返しで腰の辺りから回転しつつ、体の前にずっとクラブがある状態を作るようにしているよ。ずっと回転を止めずに体を動かしてボールをとらえるんだ
ケン:腰の回転以外にも、側屈させたり、前傾をキープさせたりという意識はないんですか?
ミト:そこらへんはあんまり考えてないな。ほんと回転だけしか考えてないね。回転を止めなければ、勝手に側屈してくるんだ。
ケン:アドレスやバックスウィングで気を付けていることは?
ミト:クラブをインサイドに上げすぎてしまう癖があるからそこだけ注意しているよ。
ケン:なるほど。それ以外にスウィングのポイントはありますか?
ミト:インパクト間際で左手を前(飛球線)に出していって、ボールを押していく感じがあるかな。この形をキープしてね。
そう言って、掌屈(左手の手首を手のひら側に折る)の形を作ってみせてくれたミト。球を飛ばすには、いかにその左手で押せるかがカギだと付け加えてくれました。
「腰の回転を止めずに左手でボールを押していく」
ふむふむ、考えていることは意外とシンプルですね。これだけのトップ選手でも考えていることは一つか二つなんですね。というより、考えることがシンプルだから上位にいられるのかな。
ちなみに彼のコーチはホアキン・ニーマンと同じエドワルド・ミゲルという方で、ジュニアの頃からスウィングを見てもらっているそうです。
ミトは寿司が大好きと聞いていたので、最後になんの“ネタ”が好きか尋ねてみました。
「マグロ!」
そう言って嬉しそうにコースへ向かったミト。みなさん、今週は彼のスウィングに注目ですよ。
写真/岡沢裕行