極端に短いホーゼルとソールまで貫通したシャフト、という当時のアイアンの常識を覆す斬新なデザインの「S2H2」アイアンを1988年にリリースしたキャロウェイ。ホーゼル側の重量を削ってキャビティの周辺に分散させることで、低重心化とスイートエリアを大きくする効果があり、シャフトがヘッドを貫通することにより打感の改善にもつながった。翌年にはこの構造を採用したウッドも発表。キャロウェイの名は一気に世界に知られるようになる。
91年にはステンレス製で200 ccと、当時としては大型のメタルウッド、ビッグバーサを発表。ビッグバーサは第一次大戦時にドイツ軍が開発した長距離砲のことで、アベレージでも正確に、遠くへ飛ばせるという意味が込められていた。実際にミスに強く、やさしいと瞬く間に人気となり、国内で実に10万本を売り上げたという。その2年後にはショートウッドの先駆けとなる「ヘブンウッド」が登場。船底のような「ウォーバード・ソール」はテレビ番組に出てくる宇宙船の形状からヒントを得たと言われている。
そして95年、ついにグレートビッグバーサ(GBB )が登場。軽くて強いチタン素材を使用し、ビッグバーサより50cc大きい250ccの大型ヘッドにすることでスイートエリアを広げ、軽くて長いカーボンシャフトの採用で、さらに遠くへやさしく飛ばせるようになった。
その後もGBBⅡ+など、同じ名を冠したモデルが登場し、2015年に発売されたGBBは松山英樹が使用したことでも話題となった。また17年の初代エピックにも「GBB」の名が冠されてる。そして今年の11月11日に、とことん素材にこだわったという最新のGBBが登場。選び抜かれた最適なチタンとカーボンを配置し、より高慣性モーメント化。AIが設計したFLASHフェース、JAILBREAK AIスピードフレームも採用し、よりやさしく大きな飛びを実現するという。
※週刊GD22年11月15日号「ニッポンゴルフ初物語」より