正しくスムーズにスウィングするためには、どうすればいい? プロゴルファー・大谷奈千代に教えてもらおう。

前回の記事では、どうしてもスウィング中の力みが取れない方におすすめの練習ドリルをご紹介させていただきました。クラブを持って、手首とひじを柔らかく使いグルグル回すことができたあとに、力の抜けた力感のままスウィングをして、ボールを打ってもらうと、簡単にボールがポーンと飛んでくれるようになる、というものです。

画像: 顔の前でクラブを立てて持ち、ヘッドの重みでグルッと一周させるドリルを行うことで、身体がスムーズに動くようになる

顔の前でクラブを立てて持ち、ヘッドの重みでグルッと一周させるドリルを行うことで、身体がスムーズに動くようになる

「クラブを回しただけなのになぜ?」と、とても不思議に思われる方が多いのですが、グルグルドリルには、上級者が行っているようなスムーズなスウィング動作の秘密がいっぱい詰まっているんです!

このドリルでは筋トレのような要素は必要ありません。むしろ力が入ってしまうと動作は止まってしまいます。プロでもアマチュアでも、人間の身体の構造は同じですから、スウィング動作で求められる必要な骨や筋肉、関節を正しく動かすことができるかどうかが上達のヒントになってくるんです!

画像: プロもアマも身体の構造は同じ。骨や関節を正しく使うことが、スムーズなスウィングの秘訣だ

プロもアマも身体の構造は同じ。骨や関節を正しく使うことが、スムーズなスウィングの秘訣だ

そんな私たちにとって正しい動作の正解は関節に負担をかけないことにあるんです! 関節には、可動性のある「モビリティ関節」と安定性のある「スタビリティ関節」といった、原則があります。

モビリティ関節では、動かすべき関節の可動性が不十分になってしまうと、そもそも関節は動くことができませんし、可動域があって動かせたとしても、固めるべき関節がしっかり固定されていないと、安定性に欠けてしまうため不自然な動きになってしまいます。

画像: 関節には可動性のあるモビリティ関節と安定性のあるスタビリティ関節の2種類がある。どの関節がどちらなのかを把握しておけば、スウィング中に動かすべき箇所と固めるべき箇所がわかる

関節には可動性のあるモビリティ関節と安定性のあるスタビリティ関節の2種類がある。どの関節がどちらなのかを把握しておけば、スウィング中に動かすべき箇所と固めるべき箇所がわかる

ゴルフスウィングに必要なコックとひじの関節はというと、肩関節はモビリティ関節ですし、ひじ関節はスタビリティ関節、そして手関節はモビリティ関節といったように、モビリティ関節とスタビリティ関節は身体の中で交互に連なっているんです。

関節にとって、理に適った正しい「動きのトレーニング」を行うことで、体の連動性が良くなります。

アマチュアゴルファーのたまにある、謎の調子のいい日は、この連動性が良い時なんです。スムーズなスウィングの動きの正体は身体の連動性が良い状態ということですから、スウィング動作で求められる要素がグルグルドリルには詰まっている。だから、とっても効果的なんです。

上手に関節を使ってスウィングしよう!

イラストAのように、バックスウィングでは、①手首と②ひじがたたまれて、③ちょっと体が回るくらいで完成なんです! 腕の力でクラブを持ち上げようとしてしまうといった、持ち上げる動作は、ほとんで必要ありません。

画像: 関節を動かす順番は手首、ひじ、身体の順番。より力強く打ちたい場合は身体を回す度合いを強くしよう

関節を動かす順番は手首、ひじ、身体の順番。より力強く打ちたい場合は身体を回す度合いを強くしよう

ボールを遠くに飛ばしたい、力強く打ちたいと思ったら、③ちょっと体を回す動作を④しっかり回すようにしていきましょう。

大切なことは、動かす関節の順番です。①手首、②ひじ、③体の順番で回すようにして下さい。この動作の順番を正しく覚えることで、体の連動性が高まります。連動性が良くなると、スウィングはスムーズになります。

ここまでできたら、後は無理なく自然と振り幅を大きくすることができるようになりますよ! ぜひ参考にして下さい!

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