都心の大型ゴルフ練習場が次々と姿を消しているなか、「健闘」していた明治神宮外苑ゴルフ練習場も、今月末に閉場が決定。"都心練習場"の厳しさとは?

同練習場のホームページ告知によると、「神宮外苑地区では東京都の都市計画にのっとり国立競技場の建て替えをはじめとする再整備が進み、練習場を含む周辺一帯は再整備エリアに入っている」という。来年から同練習場および第二球場の解体が始まるが、それに先立ち今年12月末をもって営業を終了するというのだ。

画像: 神宮球場に隣接している明治神宮外苑ゴルフ練習場。都心のもっとも中心に位置する利便性が今月末に失われることになった

神宮球場に隣接している明治神宮外苑ゴルフ練習場。都心のもっとも中心に位置する利便性が今月末に失われることになった

同練習場は1953年(昭和28年)に野球場外野スタンドにゴルフ練習場を開設し、翌年12月末まで開場。さらに現在の第二球場部分も加えて72年(昭和47年)に再開場となり、都心最大級の163打席を有し営業している。

そして2020年の東京五輪開催に合わせ、国立競技場や関連施設が整備されるなか、隣接する同練習場も19年末から大会運営に貸し出され営業停止。その後、大会開催の延期を受け、2年近く休業していた。その間、床面の塗装や打席には最新の椅子を配置、ショップもリニューアルし、昨年暮れに営業再開された矢先の閉場劇である。

振り返れば、都心にはいくつもの大型練習場があって賑わっていた。新宿には日本テレビゴルフガーデン、赤坂にはTBSゴルフスタジオ、そして芝ゴルフ練習場。芝ゴルフには都心のセレブゴルファーが集い、入り口打席周辺は芸能人や腕自慢の実業家などでサロン化していた。芝ゴルフは1959年に開場し、2005年閉場。

いま都内に屋外練習場はどれくらいあるのだろうか?

「我々の統計によれば149あり、昨年と比較すると8カ所減っています。ただインドアは523もあり、これからは最新計測機器を備えたインドアスタジオが増えていくでしょうね」(全日本ゴルフ練習場連盟・上原知昭氏)

現在、都心に残っている大型練習場は、足立区にあるトーキョージャンボゴルフセンター(200打席・230Y)と、スイング碑文谷(81打席・個室2打席・170Y)など。スイング碑文谷は芝ゴルフの後を受け継ぐ“高級"練習場で個室もあり、混雑する土日のナイター時はボール1個打って33円の料金という。

都心で減り続ける理由をゴルフ場経営コンサルタントの菊地英樹氏は「練習場は乱立していないし、需要も多い。十分に利益を上げられるのですが、テナントビルやマンションなどと比較すると、さすがに経営合理性では勝てないというところですね」。

前述した2つの練習場、残り少ない砦として残っていってほしいものだが……。

※週刊ゴルフダイジェスト2022年12月20日号「バックナイン」より

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