岩井明愛・千怜の双子プロが使用するヨネックスの『イーゾーンGT』シリーズ。その最新作で、もっともヘッド体積が大きい『GT460 ドライバー』を紹介する。
早速、クラブとヘッドを計測する。数値はすべて実測で、試打・計測用クラブ、および計測用ヘッドはロフト角10.5度、シャフトはメーカー純正の『RK-03GT(フレックスS)』。クラブ重量は297.0gと標準的で、クラブ長さも45.25インチと長過ぎない。スウィングウェイトもD1.0と標準的なので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが285万g・㎠に抑えられ、この数値だと本来はドライバーのヘッドスピードが42m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振れる設計といえるだろう。
ヘッドの横幅が非常に広い形状で、全体に扁平なシャローなヘッドで、ソール面が平らなことも特徴。そして、姉妹モデルの『GT425』や『GT450』と違い、ライ角度が61.0度と非常にアップライトで、アドレスではヘッドのトウ側がかなり近くに見えるので、球をつかまえたいイメージが出ている。
実際に試打したところ、まずアドレスではフェースアングルは0度のスクエアだが、超アップライトなライ角で球をつかまえたいイメージがあり、ヘッド後方に装着されたウェイトビスにより重心深度も深くなっている。
純正シャフトは軟らかめ設定ながら、インパクトの再現性は良く、ヘッドスピードが40m/sくらいのゴルファーが扱いやすい感じだ。アドレスしてわかるようにヘッドの横幅が非常に広いので、非常に深い重心深度(46.5ミリ)で大慣性モーメントヘッド(左右方向のヘッド慣性モーメントは5266g・㎠)を狙った設計であることがわかる。スイートスポット位置がトウ寄りでフェードバイアスの『GT450』に比べ、『GT460』はフェース面のほぼ中央にスイートスポットがあり、オーソドックスな設計といえる。また、ヘッドの重心深度が非常に深いので、インパクト付近でアッパー軌道になりやすく、球の打ち出し角を上げてくれる効果がある。
ヘッドの左右の慣性モーメントは大きく、ミスショットに強い寛容性のあるヘッドだが、同時にネック軸周りの慣性モーメントが非常に大きい(8816g・㎠)ので、基本的にダウンスウィングでのヘッドの返りが緩やかで、ストレートから軽いフェード系弾道が打ちやすくなっている。複合ヘッドらしくインパクト音は軽めでチタンヘッドのような高い音ではないが、クラブとして適度なスピンも入った安定した弾道になりやすく、スコアメイクしやすいと感じた。
これがイーゾーンGT460の計測データだ!
※週刊ゴルフダイジェスト2022年12月20日号「松尾好員 責任計測×責任分析 ヘッドデータは嘘つかない!」より