12月11日に千葉県の大栄CCで行われた「Hitachi 3Tours Championship」。同大会2連覇中で、勝負強さも人気も好調のJLPGA女子チームは、年間女王の山下美夢有(21)・堀琴音(26)・小祝さくら(24)・吉田優利(22)・稲見萌寧(23)・菅沼菜々(22)の6人。JGTO男子チームは賞金王の比嘉一貴(27)・星野陸也(26)・大西魁斗(24)・桂川有人(24)・河本力(22)・蟬川泰果(21)とこちらも全員が20代。JPGAシニアチームは賞金王のP・マークセン(56)・藤田寛之(53)・深堀圭一郎(54)・鈴木亨(56)・塚田好宣(53)・兼本貴司(52)。結果は、女子チームに負けない若手実力派メンバーで挑んだ男子チームが勝利して幕を閉じた。優勝会見で、個人MVPも受賞した比嘉は「チームワークの勝利です、との言葉の一方で、なるほど、さすがトッププレーヤーだな」というチーム編成の妙を語っていた……。

3ツアーズは、各チームの6人が二人一組でペアを組んでプレーする。ファーストステージの9Hは、各選手が通常どおりにストロークプレー、各ペアの良いほうのスコアを採用するベストボール方式。セカンドステージ9Hは、各ペアがひとつのボールを交互に打っていくオルタネート方式。通常のチーム編成では、プレースタイルの相性で組むケース、経験者が若手を引っ張るケースなどでペアを編成するが、優勝した男子チームが重視したのが、各プレーヤーの使用ボールだった。キャプテンの比嘉は「一番はボール基準です」とコメント。

画像: 桂川と星野はスリクソン、大西と蟬川の使用ボールはタイトリスト、比嘉は「リキはキャロウェイのボールですが、そこは僕が対応するイメージを持って3つのペアを決めました」

桂川と星野はスリクソン、大西と蟬川の使用ボールはタイトリスト、比嘉は「リキはキャロウェイのボールですが、そこは僕が対応するイメージを持って3つのペアを決めました」

“使い慣れたボール”でのプレーがいいスコアにつながる

各選手の普段の使用ボールをチェックすると、比嘉はブリヂストン ツアーBX、星野はスリクソンZスターダイヤモンド、大西はタイトリスト プロV1、桂川はスリクソンZスターダイヤモンド、河本はキャロウェイ クロムソフトX LS、蟬川はタイトリスト プロV1x。「スリクソンを使っている陸也と桂川くん で決定。タイトリストの魁斗くんと蟬川くんでペア。リキはキャロウェイで、僕はツアーBですが、僕はボールに対応するイメージを持っていましたし、打ってみると、わずかに打感が軟らかいと感じましたが、大きな違いは感じなかったので、このペアで行けるな、と。実力のあるメンバーなので、ティーショットを担当するホールの順番を気にするよりも、ボールを一番にペアを組むことを考えました」と説明した比嘉。

プロのギア選びの話しを聞くと、「ドライバーやウェッジといったクラブを新調するよりも、スコアにいちばん直結するのが、ボールなんです」という話は多い。18ホールで、ドライバーを毎ホール使ったとしても14回。最も使われるパターをグリーン外からのアプローチで使ったとしても30~40ストローク程度だろう。そう考えると、すべてのショット、パット、スコアに関わるのがボールだ。プロがボールを重視するのはそういった観点がプレーにしみついているからだろう。「ボール基準」のチーム編成が男子チームのプレーを支えていたようだ。

画像: 菅沼と山下はスリクソンZスターXVのユーザー。一緒の組でいつものボールを交互に打ってプレー

菅沼と山下はスリクソンZスターXVのユーザー。一緒の組でいつものボールを交互に打ってプレー

ちなみに、JLPGAのチーム編成は、稲見(ブリヂストン ツアーBXS)と小祝(スリクソンZスターXV)がペア(使用球は未確認)を組んだが、堀と吉田は2人ともブリヂストン ツアーBXのユーザー。菅沼と山下はともにスリクソンZスターXV。3組中2組が同じボールのペアだった。アベレージクラスのアマチュアは、とかくクラブ選びに目が行って、ボール選びが後回しになりがちだが……ギア選びの観点を変えるきっかけにしてはいかがだろうか。

週刊ゴルフダイジェスト2022年12月27日号より(PHOTO/Hiroyuki Okazawa)

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