3ツアーズは、各チームの6人が二人一組でペアを組んでプレーする。ファーストステージの9Hは、各選手が通常どおりにストロークプレー、各ペアの良いほうのスコアを採用するベストボール方式。セカンドステージ9Hは、各ペアがひとつのボールを交互に打っていくオルタネート方式。通常のチーム編成では、プレースタイルの相性で組むケース、経験者が若手を引っ張るケースなどでペアを編成するが、優勝した男子チームが重視したのが、各プレーヤーの使用ボールだった。キャプテンの比嘉は「一番はボール基準です」とコメント。
“使い慣れたボール”でのプレーがいいスコアにつながる
各選手の普段の使用ボールをチェックすると、比嘉はブリヂストン ツアーBX、星野はスリクソンZスターダイヤモンド、大西はタイトリスト プロV1、桂川はスリクソンZスターダイヤモンド、河本はキャロウェイ クロムソフトX LS、蟬川はタイトリスト プロV1x。「スリクソンを使っている陸也と桂川くん で決定。タイトリストの魁斗くんと蟬川くんでペア。リキはキャロウェイで、僕はツアーBですが、僕はボールに対応するイメージを持っていましたし、打ってみると、わずかに打感が軟らかいと感じましたが、大きな違いは感じなかったので、このペアで行けるな、と。実力のあるメンバーなので、ティーショットを担当するホールの順番を気にするよりも、ボールを一番にペアを組むことを考えました」と説明した比嘉。
プロのギア選びの話しを聞くと、「ドライバーやウェッジといったクラブを新調するよりも、スコアにいちばん直結するのが、ボールなんです」という話は多い。18ホールで、ドライバーを毎ホール使ったとしても14回。最も使われるパターをグリーン外からのアプローチで使ったとしても30~40ストローク程度だろう。そう考えると、すべてのショット、パット、スコアに関わるのがボールだ。プロがボールを重視するのはそういった観点がプレーにしみついているからだろう。「ボール基準」のチーム編成が男子チームのプレーを支えていたようだ。
ちなみに、JLPGAのチーム編成は、稲見(ブリヂストン ツアーBXS)と小祝(スリクソンZスターXV)がペア(使用球は未確認)を組んだが、堀と吉田は2人ともブリヂストン ツアーBXのユーザー。菅沼と山下はともにスリクソンZスターXV。3組中2組が同じボールのペアだった。アベレージクラスのアマチュアは、とかくクラブ選びに目が行って、ボール選びが後回しになりがちだが……ギア選びの観点を変えるきっかけにしてはいかがだろうか。
週刊ゴルフダイジェスト2022年12月27日号より(PHOTO/Hiroyuki Okazawa)