踏んで蹴る力を回転速度に変換できるようになったら、次は"回旋量"自体を上げたい。猫背だった頃は深く回ることができず、体の右サイドでカチ上げるようにテークバックすることで回旋量を確保しようとしていたという。
「それまでは右肩を上げるようにテークバックし、切り返し以降、左肩を上げるように振っていました。これによってヘッドが大きくインサイドから入り、右へ大きく打ち出して大きな曲がりで左へ戻していましたが、今は打ち出しもそこまで右ではなくなり、曲がり幅も収まりました」
と塚田。言ってみればフックからドローへの転換で弾道自体の安定性が増し、さらに軸の傾きもなくなったことから再現性も高まったという。
「とはいえ無理に背筋を伸ばそうとするとダメ。背筋が反った状態ではまた回転が阻害されてしまいますし、もちろん猫背は論外です。どちらも腹筋に力が入りにくいので、肩甲骨を下げて"あばらを開く"立ち方は回旋量を確保するために不可欠なのです」
実はオフに入り、塚田はさらなる飛距離アップをもくろんでいる。ドラコンの飯塚孝幸プロに教えを乞い、"より上"を目指そうとしているのだ。
「飯塚プロと話し、『長年の選手生活で固まったリミッターを解除しましょう』と言われたとき、これは試す価値があるなと感じました」
課題はサンドウェッジの"マン振り"。スピン量を増やすことなく思い切り振るドリルを伝えられ、試すことに。
「今までにない感覚。腕はもっと振らなきゃダメだな……ちょっと続けてみたいです」
塚田好宣53歳、まだまだ飛距離は伸びそうだ。
バックスウィングの回旋量をアップするために欠かせない、塚田が実践する2つのトレーニング!
簡単トレーニング① バランスボールを引き上げて姿勢を正す
簡単トレーニング② "あばらを開く"肩回旋
※週刊ゴルフダイジェスト2022年12月20日号巻頭レッスン「歳に負けない"アンチエイジング"の飛ばし方 塚田好宣」より一部抜粋