まずはゴルフとの出会いから。
「父がゴルフ好き(シングル)だったので小さい頃から練習場によく通っていました。最初は3歳上の兄が始めて私も遊びでゴルフをするように。でも本格的に取り組み始めたのは高校ゴルフ部からです。高校でゴルフが楽しい、もっと上手くなりたいと思うようになりました。それでプロを目指そうと考えたんです。ただ高校では目立った成績も出せなかったので大学へ進学し、もっと試合や経験を積もうと考えました。大学では関東女子学生で何回か優勝できましたし、日本女子アマや日本女子学生にも出場できたのでいい経験ができたと思っています。大学を卒業した年に最初のプロテストを受験したのですが1次で敗退。記憶にないくらい、めちゃめちゃ打ちました。そして5度目の挑戦でやっと合格。最終プロテストは毎日吐きそうでしたが、合格できてホッとしました」
合格できた要因はどこにあったのか?
「3~4年前から4スタンス理論をベースに指導する西野貴治コーチに教えてもらっているのですが、教え方がとてもシンプルなんです。『ゴルフってこんなに考えることが少なくていいんだ』って気づけたことが大きいと思います。以前はクラブをどう上げる、トップの位置は、どうやってクラブを下ろす、など形ばかりにとらわれていました。でも西野コーチは、体が正しく動けるように整えてくれるんです。そこが私には合うと感じています。ゴルフに対する考え方もすごくすっきりしました。まだまだコースマネジメント、コンディション維持など、学ぶべきことは多いですが、ひとつひとつクリアしていきたいです」
来季はステップ・アップ・ツアーが主戦場となるが、シーズンに向けたオフの課題は?
「1年間ツアーを転戦するなんて想像もできないですけど、まずは体力をつけたいです。西野コーチはフィジカルにも詳しいのでトレーニングのアドバイスももらっています。それを実践しつつ、体づくりに励みたいです。ランニングもしないとですね。あとは、ドライバーの飛距離アップです。今は平均で235Yほどですが、あと10Yは伸ばしたいです。実はもうひとつ課題があって、ショートパットがあやしいんです(笑)。もともとアイアンが好きでショートアイアンならチャンスにつけられる自信はあります。ただパッティングが……。練習量を増やしたので良くはなってきましたが、まだまだライン読みが苦手です」
希望をつかみ取った高野だが、プロとしてはスタート地点に立ったにすぎないと語る。輝くのはこれからなのだ。
「目標はステップで優勝すること。目の前の試合に集中するだけです。賞金でクルマを買いたいんです。いま乗っているクルマはもうすぐ20万キロ。そろそろ買い替えたい。だから頑張ります!」
※週刊ゴルフダイジェスト2023年1月3日号より
撮影/干川修