今年の6月には54歳となる藤田寛之。若手に交じり、今もなお第一線で戦えるのはグリーンを狙える正確無比なフェアウェイウッドがあるからだ。今回はそんな藤田が最も信頼する5番ウッドの打ち方の極意を教えてもらった!
画像: 「飛ばすFWと狙うFWをバッグに入れていますが、5番ウッドは狙うFW。ヘッドスピードが遅めのアマチュアの方には飛び系の5番ウッドと狙う5番ウッドの2本態勢がおすすめです」(藤田)

「飛ばすFWと狙うFWをバッグに入れていますが、5番ウッドは狙うFW。ヘッドスピードが遅めのアマチュアの方には飛び系の5番ウッドと狙う5番ウッドの2本態勢がおすすめです」(藤田)

GD 藤田プロにとって5番ウッドはどのような存在ですか?

藤田 飛距離は出したいけれど、同時に狙い打ちをしなければならないクラブです。14本のクラブの流れでいえばフェアウェイウッドはアイアンからの流れのなかにあると考えています。

5Wの打ち方 ポイント① 胸を張らず、小さくなって、力感7割で打つこと

画像: 「小さく振るって結構難しいので、林の中から脱出させる時のイメージで振るといいです」(藤田)※ILLUST/Masashi Anraku

「小さく振るって結構難しいので、林の中から脱出させる時のイメージで振るといいです」(藤田)※ILLUST/Masashi Anraku

5Wの打ち方 ポイント② 体を反り返らないように、おとなしく振ること

画像: 「飛ばす意識が強くなると体が起き上がったり、顔が上がったりと暴れる動きが入りやすくなります。静かな体の動きで、ヘッドの動きをコントロールすることが大切です」(藤田)

「飛ばす意識が強くなると体が起き上がったり、顔が上がったりと暴れる動きが入りやすくなります。静かな体の動きで、ヘッドの動きをコントロールすることが大切です」(藤田)

GD アマチュアにとってはお助けクラブのはずなんですが、いかんせん上手く打ちこなせない。それって理由は何ですか?

藤田 やっぱりウッドという先入観から飛ばさないと、と思っているのではないでしょうか。狙うショットなのにマン振りしている人って結構見ますよね。

GD 要はコンパクトに振れってことですか?

藤田 ただ、小さく振るって結構難しいので、林の中から脱出させる時のイメージで振るといいですよ。

GD アイアンで出す時のようなショットですか?

藤田 5番ウッドってロフトがあって、長さ的にも振りやすいからアマチュアの方でも振れちゃうんです。でも、それだと必要としているコントロールができない。林から脱出させるときは絶対に大振りすることはないですよね。 少し体を小さくする感じで構えて、丁寧にインパクトする。そうすれば5番ウッドに求める結果がきっちり出てくれるはずです。

GD コンパクトに振るために必要なことは?

藤田 まずはアドレスでしょうね。どういう球を打ちたいかはアドレスだけでかなり変わりますからね。

5W専用アドレスのポイント① 左肩が下がるぐらいでOK!

画像: 「左肩を上げて右肩を下げるアドレスよりも左肩をグッと内側に入れる構えのほうが締まったアドレスになります。体の内側にギュッと力を込められるアドレスを目指すといいですよ」(藤田)

「左肩を上げて右肩を下げるアドレスよりも左肩をグッと内側に入れる構えのほうが締まったアドレスになります。体の内側にギュッと力を込められるアドレスを目指すといいですよ」(藤田)

5W専用アドレスのポイント② "上から目線"でボールを見る

画像: 「左肩を内側に入れることでボールを真上から見やすくなる。右側側面からボールを見る構え方は飛ばすにはいいが、ダウンブローには当てにくくなるんですよ」(藤田)

「左肩を内側に入れることでボールを真上から見やすくなる。右側側面からボールを見る構え方は飛ばすにはいいが、ダウンブローには当てにくくなるんですよ」(藤田)

5W専用アドレスのポイント③ スタンス幅は肩幅以内で収めておく

画像: 「スタンス幅は肩幅以内にすることです。それに伴ってボール位置も真ん中寄りになります。スタンス幅を大きくするだけ大きく振れてしまうので、締まったスウィングはしにくいんです」(藤田)

「スタンス幅は肩幅以内にすることです。それに伴ってボール位置も真ん中寄りになります。スタンス幅を大きくするだけ大きく振れてしまうので、締まったスウィングはしにくいんです」(藤田)

5W専用アドレスのポイント④ 肩の下に手元がくるように構える

画像: 「いつもよりほんの少しボールの近くに立つと、上からボールを見られるだけでなく、体と腕に一体感が生まれて、コンパクトな構えが作れるので、ミート率が上がります」(藤田)

「いつもよりほんの少しボールの近くに立つと、上からボールを見られるだけでなく、体と腕に一体感が生まれて、コンパクトな構えが作れるので、ミート率が上がります」(藤田)

5W専用アドレスのポイント⑤ ボール位置は真ん中もしくは右寄りならOK

画像: 「スタンス幅を狭くすると自然にボール位置は中に入ります。体の中心よりも左に置くほど、軌道はアッパーになりやすいので、締まったアドレスを作るなら、球は右足寄りにしましょう」(藤田)

「スタンス幅を狭くすると自然にボール位置は中に入ります。体の中心よりも左に置くほど、軌道はアッパーになりやすいので、締まったアドレスを作るなら、球は右足寄りにしましょう」(藤田)

GD 5番ウッド専用のアドレスがあるんですね。

藤田 飛ばそうとするとスタンスは広くなるし、逆にコントロ―ル重視の時はスタンスは狭くなるものです。

GD このあたりのポイントはアイアンと同じですか?

藤田 そうですね。ドライバー寄りではなくアイアン寄り。だからボールも中に入れていいし、そうすればダウンブローにも当てやすくなりますからね。

GD 5番ウッドは上から打つのが正解ということですか?

藤田 いや、飛ばしたいなら下からアッパー気味でもいいんです。でも狙いたいならアイアンと同じように上から打つ。ぼくの場合は5番ウッドは狙いたいクラブだから上からのイメージなんです。

GD なるほど! だから林の中からのイメージなんですね。

藤田 要するに締まったスウィングをしたい。だからアドレスも締まったアドレスを作らないといけないんです。 

GD 確かに小さく構えると締まるイメージが出ますね。

藤田 そうでしょ! でも、一概に言えない部分もあって、大きく構えるほうが締まるイメージが出る人もいるので、そこは個々で違っていいと思いますよ。

5Wの打ち方 ポイント③ 手元はフォローまで体の正面をキープすること

画像: 「胸の回転にクラブはついていくだけでいいんです。インパクトでスクエアに当てようとすると手先の動きが強くなり、手首をこねるなどの余計な動きが入ってしまうからです」(藤田)

「胸の回転にクラブはついていくだけでいいんです。インパクトでスクエアに当てようとすると手先の動きが強くなり、手首をこねるなどの余計な動きが入ってしまうからです」(藤田)

5Wの打ち方 ポイント④ トップで左腰が回り過ぎないように小さくターンする

画像: 「切り返しでダウンスウィングに入る時に左股関節を少しだけ回します。飛ばしたい時はこの動きを大きくしますが、5番ウッドなら少し回す程度で抑えましょう」(藤田)

「切り返しでダウンスウィングに入る時に左股関節を少しだけ回します。飛ばしたい時はこの動きを大きくしますが、5番ウッドなら少し回す程度で抑えましょう」(藤田)

GD アドレスができたら次はスウィングですが、ここでの注意点を教えてください。

藤田 常にクラブは体の正面をキープさせること。インパクトやフォローで変に手首でヘッドを走らせないようにしてください。

GD クラブが体の正面という表現はよく聞きますが、それを意識すると飛ばなくなるんですが。

藤田 それは体の回転を止めちゃっているからです。体の正面と表現すると多くの人が胸の正面でインパクトしようとします。でもそれは間違いで、体(胸)は回転し続けるもの。トップの形をキープしたまま体を回転させてください。胸が完全に目標方向を向いた時に、フェースはボールに対してスクエアになっているはずです。要するに体の回転を止めて手先でクラブを下ろす動きが最もやってはいけない動きだということです。

5Wの打ち方 ポイント⑤ 右わきと左ひじを一体化させ、振り下ろす

画像: 「右わき、右ひじを一体化させたままインパクトでスクエアに当てるには胸は完全に開いた状態になります。この形が作れないと5番ウッドでコントロールはできません」(藤田)

「右わき、右ひじを一体化させたままインパクトでスクエアに当てるには胸は完全に開いた状態になります。この形が作れないと5番ウッドでコントロールはできません」(藤田)

GD 体の回転は止めないとのことですが、それだと振り遅れる感覚が出ませんか?

藤田 その感覚が大切です。トップから右わき、右ひじを一体化させて下ろす。このときにフェースがかぶっているなとか、開いているなと感じながら練習することで、本当のインパクトの形を習得することができます。

GD それが胸が完全に開いたインパクトということですか?

藤田 プロのインパクトの形です。この形ができない限り、ボ―ルを押し込むことができないので、しっかりコントロールが利いた球は打てません。目指すべきはこの形です

※週刊ゴルフダイジェスト2023年1月10・17日合併号「長い距離でもこいつで狙える! 藤田寛之の5番ウッド術」より

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