GD 藤田プロにとって5番ウッドはどのような存在ですか?
藤田 飛距離は出したいけれど、同時に狙い打ちをしなければならないクラブです。14本のクラブの流れでいえばフェアウェイウッドはアイアンからの流れのなかにあると考えています。
5Wの打ち方 ポイント① 胸を張らず、小さくなって、力感7割で打つこと
5Wの打ち方 ポイント② 体を反り返らないように、おとなしく振ること
GD アマチュアにとってはお助けクラブのはずなんですが、いかんせん上手く打ちこなせない。それって理由は何ですか?
藤田 やっぱりウッドという先入観から飛ばさないと、と思っているのではないでしょうか。狙うショットなのにマン振りしている人って結構見ますよね。
GD 要はコンパクトに振れってことですか?
藤田 ただ、小さく振るって結構難しいので、林の中から脱出させる時のイメージで振るといいですよ。
GD アイアンで出す時のようなショットですか?
藤田 5番ウッドってロフトがあって、長さ的にも振りやすいからアマチュアの方でも振れちゃうんです。でも、それだと必要としているコントロールができない。林から脱出させるときは絶対に大振りすることはないですよね。 少し体を小さくする感じで構えて、丁寧にインパクトする。そうすれば5番ウッドに求める結果がきっちり出てくれるはずです。
GD コンパクトに振るために必要なことは?
藤田 まずはアドレスでしょうね。どういう球を打ちたいかはアドレスだけでかなり変わりますからね。
5W専用アドレスのポイント① 左肩が下がるぐらいでOK!
5W専用アドレスのポイント② "上から目線"でボールを見る
5W専用アドレスのポイント③ スタンス幅は肩幅以内で収めておく
5W専用アドレスのポイント④ 肩の下に手元がくるように構える
5W専用アドレスのポイント⑤ ボール位置は真ん中もしくは右寄りならOK
GD 5番ウッド専用のアドレスがあるんですね。
藤田 飛ばそうとするとスタンスは広くなるし、逆にコントロ―ル重視の時はスタンスは狭くなるものです。
GD このあたりのポイントはアイアンと同じですか?
藤田 そうですね。ドライバー寄りではなくアイアン寄り。だからボールも中に入れていいし、そうすればダウンブローにも当てやすくなりますからね。
GD 5番ウッドは上から打つのが正解ということですか?
藤田 いや、飛ばしたいなら下からアッパー気味でもいいんです。でも狙いたいならアイアンと同じように上から打つ。ぼくの場合は5番ウッドは狙いたいクラブだから上からのイメージなんです。
GD なるほど! だから林の中からのイメージなんですね。
藤田 要するに締まったスウィングをしたい。だからアドレスも締まったアドレスを作らないといけないんです。
GD 確かに小さく構えると締まるイメージが出ますね。
藤田 そうでしょ! でも、一概に言えない部分もあって、大きく構えるほうが締まるイメージが出る人もいるので、そこは個々で違っていいと思いますよ。
5Wの打ち方 ポイント③ 手元はフォローまで体の正面をキープすること
5Wの打ち方 ポイント④ トップで左腰が回り過ぎないように小さくターンする
GD アドレスができたら次はスウィングですが、ここでの注意点を教えてください。
藤田 常にクラブは体の正面をキープさせること。インパクトやフォローで変に手首でヘッドを走らせないようにしてください。
GD クラブが体の正面という表現はよく聞きますが、それを意識すると飛ばなくなるんですが。
藤田 それは体の回転を止めちゃっているからです。体の正面と表現すると多くの人が胸の正面でインパクトしようとします。でもそれは間違いで、体(胸)は回転し続けるもの。トップの形をキープしたまま体を回転させてください。胸が完全に目標方向を向いた時に、フェースはボールに対してスクエアになっているはずです。要するに体の回転を止めて手先でクラブを下ろす動きが最もやってはいけない動きだということです。
5Wの打ち方 ポイント⑤ 右わきと左ひじを一体化させ、振り下ろす
GD 体の回転は止めないとのことですが、それだと振り遅れる感覚が出ませんか?
藤田 その感覚が大切です。トップから右わき、右ひじを一体化させて下ろす。このときにフェースがかぶっているなとか、開いているなと感じながら練習することで、本当のインパクトの形を習得することができます。
GD それが胸が完全に開いたインパクトということですか?
藤田 プロのインパクトの形です。この形ができない限り、ボ―ルを押し込むことができないので、しっかりコントロールが利いた球は打てません。目指すべきはこの形です
※週刊ゴルフダイジェスト2023年1月10・17日合併号「長い距離でもこいつで狙える! 藤田寛之の5番ウッド術」より